これからヒット作の続編や、新規で作られる「マンガの実写版」作品は多々あります。そのなかには「再現が難しそう」なキャラも多く、ファンが心配している人物もいます。



「サカズキ」「クザン」「ボルサリーノ」の海軍大将3人が並んだ「フィギュアーツZERO[EXTRA BATTLE] “三大将”」(BANDAI SPIRITS)(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

【画像】え…っ? 「まんまやんけ」 こちらが『ワンピ』海軍大将たちの「モデルのスター」です(7枚)

モデルがはっきりしすぎている人気キャラたち

 毎年映画やドラマで多数作られている「マンガの実写版」作品では、現実にはいるわけがない強烈なキャラも再現され、賛否を呼んできました。カリスマ性が強いキャラ、ビジュアルが人間離れしすぎているキャラ、動き方が異常なキャラなどいろんなハードルがあり、それを乗り越えるのは大変なものです。

 今後も実写化成功作の続編や、新規の人気マンガの実写版が制作予定で、そのなかにもいろんな理由で「再現は難しそう」なキャラがいます。

 直近では、2024年10月6日から1月公開の映画『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)の続編ドラマ『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』が放送予定で、「家永カノ」(演:桜井ユキ)、「江度貝弥作」(演:古川雄輝)ら強烈な新キャラの再現度高いビジュアルも話題を呼んでいます。

 おそらく今回の全9話のドラマではまだ登場しないでしょうが、さらに続編が作られた際に再現されるか否かファンの間でも予想が分かれるキャラが、作中屈指の変態「姉畑支遁」です。彼は『ゴールデンカムイ』で、メインキャラたちが探すアイヌの金塊の在処を示すヒントとなる「刺青」を彫られた、網走監獄の24人の脱獄囚のひとりでした。

 殺人犯や詐欺師などいろんな犯罪者がいる刺青囚人のなかでも、姉畑は強烈です。自称「動物学者」の彼は、動植物を愛するあまりにアイヌの言葉でいう「ウコチャヌプコロ」(プとロは小文字)を繰り返し、行為が終わったら「こんなことはあってはならない」と、動物を殺したり木を切り倒したりする凶行に及んでいました。

 姉畑のエピソードは当然アニメ版でも地上波放送はされず、原作単行本23巻に同梱されたOADでだけで観られる回として映像化されています。ただ、なんと姉畑役には『聖闘士星矢』の「フェニックス一輝」や、『魁!!男塾』の「剣桃太郎」の声などで知られるベテラン声優の堀秀行さんが起用され、当時大きな話題を呼びました。

 もし実写版で姉畑のエピソード「支遁動物記」が再現されるなら、アニメ版同様に豪華キャストが期待できるかもしれません。彼はド変態ですが、見た目自体は目がキラキラとしているかわいらしい中年男性で、ネット上では「北海道随一のスターとして、大泉洋さんに姉畑先生をやってほしい」「稲垣吾郎さん見ると実写姉畑支遁やってほしいなって思ってしまう」と、もともとの髪形が少し似ている大物俳優たちの名前もあがっています。

「姉畑出すだけでR指定確実」「地上波じゃないからWOWOWならいけるのか」など、いろんな意見が出ている姉畑は実写版に登場するのか、そして彼の一世一代の見せ場「ヒグマとのウコチャヌプコロ」は再現できるのか、要注目です。

 そのほか、2023年にNetflixの海外版ドラマシリーズが大ヒットとなった『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎)も、シーズン2の製作が決まっており2024年夏頃から次々に新キャストが発表されています。シーズン2では原作の「アラバスタ編」が描かれる予定で、ヒットすれば今後も「空島編」「ウォーターセブン編」と続いていくでしょう。

 同作には「魚人」や「巨人」「獣人」などの亜人たちを筆頭に、再現が難しそうなビジュアルのキャラが多数いますが、ある意味一番難しそうなのは海賊たちの敵となる「海軍大将」たちです。新旧合わせて5人登場している大将たちは、尾田先生が単行本の「SBS(質問コーナー)」で明かしている通り、尾田先生が好きな映画に出演している日本の大物俳優たちがモデルとなっており、初見で元ネタが分かってしまうほどそっくりの見た目をしています。

 いずれもすでに亡くなられているレジェンド俳優たちで、現在は海軍元帥となっている元大将「赤犬(サカズキ)」は菅原文太さん、大将「黄猿(ボルサリーノ)」は田中邦衛さん、現在は海軍をやめている元大将「青キジ(クザン)」は松田優作さん、その後新しく就任した大将ふたり、「藤虎(イッショウ)」は勝新太郎さん、「緑牛(アラマキ)」は原田芳雄さんがモデルです。

 ネット上では「あのモデル元の俳優さん方しかおらんやん」「もうあの五人を演じるなら本人しかいねえよ」「ご本人亡くなってるし、特殊メイクにするのか、全くの別人でやるのか、気になるんだけど」と心配の声が相次いでおり、今後特にキャスティングに注目が集まるでしょう。似ている日本人キャストが演じるべきか、あえて原作から遠ざけたほうがいいのか、気になるところです。原作で最初に登場するのは松田優作さんの見た目をした「青キジ」で、このまま続けばシーズン4あたりで出てくると思われます。いったい誰が演じることになるのでしょうか。



『ワンパンマン「サイタマ」 1/7スケール 塗装済み完成品フィギュア』(B´full) (C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部

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誰が演じるのか予想できない「最強ハゲ」

 また公開時期も未定でハリウッドで映画が作られる予定だけが発表されているのが、『ワンパンマン』(原作:ONE/リメイク版作画:村田雄介)です。現状では「ワイルド・スピード」シリーズや『スター・トレック BEYOND』などの大作を手掛けたジャスティン・リンさんが監督を務め、『ヴェノム』の脚本家コンビであるスコット・ローゼンバーグさんとジェフ・ピンクナーさんが執筆したプロットを、人気SFアニメ『リック・アンド・モーティ』の共同クリエイターである、ダン・ハーモンさんとヘザー・アン・キャンベルさんがリライトしていることが発表されています。

 キャストはまだ誰も公表されておらず、ファンの間では主人公「サイタマ」がハリウッドでどう実写化されるのか、心配の声が出ているようです。彼はスキンヘッドで普段は気の抜けた顔つきをしているものの、作中の誰も敵わない圧倒的最強キャラで、ほとんどの敵を一撃で倒しバトルで手こずったことはほぼありません。ここぞの場面で目がキリッとしたイケメンになるのも、魅力のひとつです。

 戦闘時のサイタマの圧倒的実力はハリウッドの予算と技術力で再現できそうですが、誰もが初見ではなめてかかってしまうスキンヘッドの中肉中背の青年を誰が演じるのか、なかなかイメージが湧きません。「ワイスピ」と同じ監督ということもあり、ネット上ではヴィン・ディーゼルさんやドウェイン・ジョンソンさん、ジェイソン・ステイサムさんら名だたるスキンヘッド俳優の名前が挙がっていますが、彼らは見た目からして明らかに強そうなのでサイタマ役は難しいのではないでしょうか。

 見た目が似ているという理由でお笑い芸人の小峠英二さん(バイきんぐ)を推す声もありますが、さすがにハリウッド大作の主演としては現実味がありませんし、サイタマはまだ20代の設定です。もともとスキンヘッドではない俳優では、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」シリーズで「スパイダーマン」を演じているトム・ホランドさんの名前も挙げられていました。誰が演じるにせよ、ぱっと見では弱そうに見えるというサイタマの特徴は、ハリウッド版でも再現してほしいところです。