ロウが現地時間9日、カナダ・アルバータ州カルガリーで行われ、ブレット・ハートが地元のリングに登場。サミ・ゼインからの挑戦要求をあらためて拒んだ世界ヘビー級王者・グンターを「チキン野郎」呼ばわりした。
カルガリーの名門・ハート一家出身のブレットは90年代のWWFで活躍。WWF世界ヘビー級王座を5度戴冠し、2006年には殿堂入りを果たしている。また、新日本への参戦時には、初代タイガーマスク、そして今月9日に亡くなった小林邦昭さんと対戦している。
この日、地元のリングに登場したブレットは大歓声の中、「最高の気分だ。俺ほど王者としてのプライドを持った者はいない。カナダ人の王者としてな」と豪語。「カナダ人の王者は誰の挑戦でも逃げずに受けて立つ。そして俺が20年間そうしてきたように試合で証明するんだ。“現在、過去、未来においても俺が最高だ”ってな」とかつての名セリフとともに言い切った。
すると現世界ヘビー級王者・グンターが現れた。ブレットとはIC王者を経て頂点ベルト獲りを果たした共通点があるが、グンターに敬意はなし。腰に巻いたベルトをこれ見よがしに誇示すると、「今日は俺にバトンを渡しに来たんだろ? お前は過去においては最高だが、現在、未来においてはもはや俺が最高なんだよ」と断言した。
そこへやってきたのがカナダ出身のゼイン。「この男をからかってただで済むと思っているのか? 本物のカナダの英雄だぞ」とグンターに釘を刺すと、「この街の誰もが彼を英雄だと認識してる。現役選手もみんな彼が英雄だと思っている。いまだに彼の試合を見て研究しているんだ。一番重要なのは俺にとっての英雄ということだ。今はお前が王者かもしれないが、王者のあり方を示したのはこのブレット・ハートだ」とブレットへの敬意たっぷりにグンターに通告した。
「お前は王者としてどうだ? 俺が挑戦表明したら、尻尾を巻いて逃げたよな? 現在において最高だって? 証明してみろや」。そうゼインがあらためて挑戦を迫り、カルガリーのファンも「サミ!」チャントで支持した。が、グンターは「ブレットは確かにすごいが、俺はレベルが違うんだ。サミ、ブレットがお前の英雄である限り、どう頑張ってもブレットと同格にしかならん。要するに俺の答えはノーだ」とやはり拒否してリングを降りた。
これにはブレットが黙っていない。「こいつがチャンピオンだって? とんだチキン野郎だな。根性なしで逃げてばかりの弱虫ヤローだ」とこき下ろした。怒りに震えるグンターがリングに引き返そうとすると、ゼインがその前に立ちはだかった。グンターが殴りかかってもゼインは鉄柱攻撃で返り討ち。パンチ連打を浴びせた。グンターが去ると、ゼインはブレットと握手。ブレットの手を挙げて敬意を表した。
今回のロウの模様は日本国内ではABEMAにて放映された。