数あるアニメ作品のなかには、鑑賞するのがしんどくなってしまう「鬱アニメ」があります。なかには、主人公の精神が崩壊してしまう作品もありました。



明るいラブコメ展開が多めと思いきや鬱エピソードが描かれる『グリザイアの果実』キービジュアル (C)Frontwing/Project GRISAIA

【画像】え…っ?「無修正版ってなんだよ」「ポスターがド下ネタ」 こちらが年齢制限までついちゃった「激やば」アニメたちです(10枚)

過去エピソードで語られる残酷さ

 数あるアニメ作品のなかには、観るのが少しつらくなってしまう、いわゆる「鬱展開」が描かれる場合があります。そのような「鬱アニメ」には、かわいらしい絵柄にもかかわらず、かなりグロテスクなシーンや、主人公が極限まで追い込まれる展開が盛り込まれた作品も多々ありました。

『グリザイアの果実』

『グリザイアの果実』は人気ゲーム「グリザイア」シリーズを原作としたアニメで、2014年から2015年まで放送された全3作のなかの1作目です。両親と死別し、「普通の高校生活を送りたい」と願う主人公の青年「風見雄二」が、転入をきっかけに5人しかいない女子クラスメイトと交流する姿が描かれています。

 物語序盤の第3話までは、女子たちとの明るいラブコメのような展開でストーリーが進んでいきますが、第4話以降でクラスメイトの過去が明らかになり、作品の雲行きが怪しくなっていきます。

 5人の女子は、それぞれ辛い経験をしており、どれも観るのに覚悟がいる内容です。なかでも、10話以降で過去が語られた「周防天音」は、バスの転落事故で遭難し、唯一生き残った経験を持ちます。

 第11話ではバス転落事故の2日目から、12日目の出来事が展開されます。そこでは、生存者が追い詰められて首を吊る姿や、食料不足から人肉を食べるシーンなどの衝撃的描写が盛り込まれました。ヒロインたちの過去のつらいエピソードが、風見とどのような関係があるのかも本作の大きな見どころで、「鬱展開」が多くても見逃せない完成度の高いストーリーが視聴者から高く評価されています。

『魔法少女育成計画』

 遠藤浅蜊先生によるライトノベル『魔法少女育成計画』を原作とした本作は、2016年にTVアニメ化された作品です。本作はかわいらしい絵柄で「ゆるふわ」な雰囲気と思いきや、グロテスクなシーンが多数描かれました。

 物語はソーシャルゲームを「魔法少女育成計画」プレイしていた主人公「姫河小雪」が、本物の魔法少女になったものの、運営側が決定した魔法少女同士のバトルロワイヤルに巻き込まれていくというストーリーです。

 本作の恐ろしい部分は、魔法少女として敗北すると現実世界でも死亡してしまうという設定にあります。また、死亡シーンの描写は過激なものが多く、顔を壁に叩きつけられ血だらけになったり、首をはねられたりと、残酷な場面が数多く登場しました。

 物語序盤は姫河が「魔法少女スノーホワイト」として、お年寄りの手助けや道路にハマったタイヤを動かしてあげるなど、ほのぼのとした「魔法少女モノ」の描写もしっかりしていただけに、その後のバトルロワイヤルの残忍さが際立ち、かわいい絵柄とのギャップに困惑した視聴者も多かったようです。



主人公が喋れなくなるほど精神異常をきたす『Re:ゼロから始める異世界生活』キービジュアル (C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

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主人公が精神異常をきたす人気アニメ

『Re:ゼロから始める異世界生活』

 異世界モノの大ヒット作『Re:ゼロから始める異世界生活』は、長月達平先生による同題ライトノベルが原作で、2016年に1期が放送され、2024年10月に3期の放送が予定されています。

 本作は異世界に転生した主人公「ナツキ・スバル」が、記憶を持ったまま過去のある時点に戻れる「死に戻り」という能力を使い、ヒロイン「エミリア」を助けるために奮闘するという物語です。

 どんなに策を講じてもエミリアが命を落としてしまい、何度も「死に戻り」を使ってやり直すというのが本作の「鬱展開」のひとつで、徐々にスバルの心をむしばんでいきました。さらに、宿敵で魔女教の大司教「ペテルギウス・ロマネコンティ」はスバルの心を掌握し、彼は精神に異常をきたしてしまいます。そのせいで、スバルは第15話にてまともに会話することすらできなくなってしまいました。

 主人公の精神が壊れてしまうという展開に、「観るのがしんどい」と感じてしまいますが、その後はスバルを献身的に支えていた鬼族の少女「レム」が闇落ちした彼を立ち直らせる名シーンにつながり、大きな感動を呼んでいます。