ボールがラフに入ると、インパクトでの芝の抵抗は大きくなります。それを計算した上でクラブを振らなければピンには寄りません。また、クラブヘッドの入れ方も重要です。とくに逆目のときは慎重にヘッドをどこに入れるべきか確認しましょう。
芝の抵抗に負けない
準備が大切
ラフからのアプローチは、いかに芝の抵抗に負けずに打つかです。逆目の場合はさらに芝の抵抗が大きく、ボールがほとんど飛ばないことがあるので気をつけましょう。芝の抵抗を最小限に抑えるには、ボールが乗っている芝の先端からクラブヘッドを入れることです。そのままボールの下にヘッドを潜らせたら、しっかりフォローまで振り抜きましょう。
ボールが乗っている芝の先端からクラブヘッドを入れると抵抗が小さくなる。あとはヘッドをボールの下に入れて、フォローまで振り抜くだけ。
グリップは強め、
バックスイングは大きく
逆目のラフからうける芝の抵抗は想像以上です。クラブを握る際はグリップを少し強めに握りましょう。使用クラブはサンドウェッジで、ボールは左足かかとの前、クラブフェースを少し開き、オープンスタンスに構えます。スタンスの向きに沿ってクラブを上げて下ろしますが、ロフトが大きくなった状態で打つので飛距離はそれほど出ません。フェアウェイから打つときよりもバックスイングは大きめに振りましょう。
(広告の後にも続きます)
ラフからは
バンカーショットに近い
逆目も含めてラフからのアプローチはバンカーショットに似ています。ただ、砂よりも芝の方が抵抗は小さいので、振り幅はラフからの方が小さくなります。また、フェースの開き方、オープンスタンスの度合いも小さめです。共通点はボールの下にある芝(バンカーは砂)ごとボールを運ぶこと、スタンスの向きに沿ってスイングすることです。
大庭啓
●おおば・あきら/1969年生まれ。芹澤信雄が主宰する“チームセリザワ”の一員。00年プロテスト合格。10年から藤田寛之のスイングサポートコーチを務め、賞金王のタイトル獲得に貢献。海外メジャーにも同行しサポートを行った。アマチュアのレッスンにも精力的に取り組み、分かりやすいゴルフ理論には定評がある。
構成・文=山西英希、写真=山上忠、協力=富士平原ゴルフクラブ