台風が「メンタルと身体」にもたらす影響と、精神科医が勧める予防策6選

自分でかんたんにできるセルフケア6つ

これらの身体的・精神的な症状に対して自分でできるセルフケアをご紹介します。

耳をストレッチする

気圧を感じる内耳の血流を促すために、耳のマッサージは効果的! また、耳周りの血流を良くするために温めるのも効果があります。

マッサージのやり方は簡単で、両側の耳たぶを指でつまみ、軽く横に引っ張った状態を5秒ほどキープします。同じ要領で耳たぶをやさしく回しましょう。それぞれの動作を3~5回ほど繰り返します。

耳のマッサージは体調不良のときだけでなく、できれば定期的に続けると予防につながるのでおすすめ。ふと気がついたときに、ぜひやってみてください。

さらに、耳栓を使うことも有効な方法の一つ。耳の内側にかかる気圧をコントロールする、気圧調整機能付きの耳栓というのも売られているので、検索してみてくださいね。

入浴は38度くらいで20分、体を温めよう

入浴時、シャワーだけで過ごしていませんか? お湯に浸かることは、低気圧による体調不良の改善に役立ちます。血流を促し、体温を高めの状態で保つことが自律神経の安定や痛みの軽減につながるためです。

また、低気圧の日にむくみや冷えが気になる場合も、入浴時にしっかり湯船に浸かって余分な水分を出すことがプラスに働きます。なお、入浴時には、38度くらいのぬるめのお湯に20分ほど浸かるのがおすすめ。

ウォーキングでもOK、適度な運動を

運動することは身体にもメンタルにもよいこと。特に朝の運動は、幸せホルモンであるセロトニンを増やす効果が。激しい運動でなくとも、少しウォーキングをするくらいでOKです。

今日は行けるなという日はぜひ、運動する習慣をつけてみてくださいね。

漢方薬を飲む

低気圧による体調不良には、漢方薬の「五苓散(ごれいさん)」が効果を発揮することがあります。五苓散は、血管拡張と自律神経の乱れの両方に作用するのが特徴です。そのため、低気圧による複数の症状(頭痛、めまい、だるさ等)に効き目をあらわします。

他にも、耳鳴りが強い方には「柴苓湯」も私がよく処方する漢方の一つです。あまりメジャーな漢方ではないのでドラッグストアで売っているのは見たことがないですが、クリニックで処方可能です。

炎症を抑えるような作用もあるので、今まで西洋薬で効果がなかったという方からも効果を感じたと嬉しい言葉を言っていただけることがありました。頻繁に低気圧による体調不良を感じる方は、自宅と鞄の中に常備しておくとよいでしょう。

事前に、防災用品などの準備をしておく

台風が接近する前に、必要な防災用品や非常食、飲料水の備蓄をしておくと、いざという時に慌てずに済みます。また、避難場所や避難経路を家族で確認しておくことも重要です。

とにかくちゃんと休む

なんと言っても、まずはしっかり休むことが第一です。いろいろ対策をしても、身体が疲れていてはどうしようもありません。身体を休ませるのはすべての大前提です。

台風は自然現象であり、私たちの力では避けることはできません。でも、その影響を最小限に抑えるための対策や予防策はたくさんあります。身体的な症状も精神的な症状も、無理をせずに自分の体調と相談しながら、適切に対処していくことが大切です。

日常生活の中で少しずつ取り入れられる予防策を実践し、台風の季節を健康に過ごしましょうね!