赤旗3回と波乱の幕開け……ルクレールとコラピントがウォールの餌食に。フェルスタッペン首位で復活の狼煙?|F1アゼルバイジャンGPフリー走行1回目

 F1アゼルバイジャンGPのフリー走行1回目が行なわれ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがトップタイムをマーク。RBの角田裕毅は15番手となった。

 アゼルバイジャンGPの舞台は、アゼルバイジャンの首都バクーの市街地コース。非常に長い全開区間と市街地ならではの直角コーナー、そして旧市街地を通る非常に狭い区間が組み合わされた、ドライビングの面でも、セッティングの面でも、実に難しいコースである。

 セッション序盤は各車とも硬めのタイヤ……ミディアムもしくはハードタイヤを履いてコースイン。車両およびコースの確認を行なった。

 ただセッション開始から10分ほどが経過したところで赤旗中断。コースマーシャルがコース上に落ちた小さな金属製のパーツを回収するシーンが国際映像に映し出されており、おそらくこれが赤旗中断の原因だったと思われる。

 数分の中断を経てセッション再開。すると間もなくして、アルピーヌのエステバン・オコンがパワーダウンを訴えてスローダウン。力なくピットに戻った。

 セッション開始から30分が経過しようかというところで、このセッション2回目の赤旗。フェラーリのシャルル・ルクレールがターン15を曲がり切れず、テックプロ・バリアに突っ込んでしまったのだ。ルクレールのマシンは、フロント部分を中心に激しく壊れたが、ドライバーは自力でマシンから脱出した。

 残り26分というところでセッション再開。このタイミングで、複数のマシンがソフトタイヤを投入した。

 各車がペースアップしていき、メルセデスのルイス・ハミルトンが1分45秒859というトップタイムを記録した直後、ウイリアムズのフランコ・コラピントがターン4でクラッシュ。セッション3度目の赤旗となった。コラピントのマシンは、左側面が大きく壊れてしまった格好だ。

 残り11分でセッションが再開され、ソフトタイヤの投入を遅らせていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はアタックへ。セクター1とセクター2で全体ベストを記録し、1周のラップタイムでもトップに立つかと思われたが、セクター3でタイムをロス……結局フェルスタッペンは、ハミルトンに0.036秒届かず、ここでは2番手止まりだった。

 レッドブルはスピードトラップでの最高速が、メルセデス勢より10km/hほど遅く、これが長い全開区間があるセクター3での足枷となっていた可能性がある。

 チェッカーフラッグが振られたセッション最終盤、フェルスタッペンが再びアタック。今度もセクター3では最速とはならなかったものの、セクター1とセクター2で自身の最速ペースを更新し、1分45秒546と全体ベストタイムをマーク。このセッションを首位で終えた。

 2番手ハミルトンを挟み、3番手にはもう1台のレッドブルであるセルジオ・ペレスが続いた。ペレスはここアゼルバイジャンで唯一複数回の勝利を挙げているドライバーであり、ここ数戦苦しんできたレッドブル陣営としては復調に向けてまずは好結果になったと言えよう。

 4番手にはマクラーレンのランド・ノリス、5番手にはフェラーリのカルロス・サインツJr.、6番手にはマクラーレンのオスカー・ピアストリという順位だった。

 RBの角田は、途中激しいバウンシングがあると訴えるシーンもあり、結局15番手で終了。チームメイトのダニエル・リカルド(10番手)には1秒以上という大きな差をつけられた。