石破と河野は納得の顔ぶれ
一方、進次郎氏とともに本命視されている石破茂氏のもとには“似た者同士”が集まった。
「石破氏の推薦人には、旧民主党から離脱して自民党入りした細野豪志氏と長島昭久氏が名を連ねました。ふたりとも派閥領袖の二階俊博氏の拡大路線のもと、『来る者拒まず』の姿勢を崩さなかった旧二階派の所属です。しかし民主党出身者ということもあり、党内での仲間が多いとはいえない。
石破氏もかつては『水月会』という自身の派閥を率いていましたが、安倍晋三元首相との政治的対立が続く中で徐々に勢いを失い、総裁選に敗れた2020年に会長を辞任してからは雲散霧消。党内では求心力に乏しく、孤立気味だった。在任時から安倍批判を繰り返していた村上誠一郎氏はじめ、推薦人は納得の顔ぶれです」(同前)
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18人の推薦人が麻生派で占める河野氏
ほとんどの派閥が解散に追い込まれるなど、党内の権力構造に劇的な変化をもたらした「裏金問題」。その渦中にあっても、派閥の存続方針を曲げなかった麻生太郎氏を後ろ盾とするのが河野太郎氏だ。
推薦人20人のうち、実に18人が「麻生派」で、まさに麻生氏のお抱え候補の様相である。
「麻生氏は、自身が評価している上川陽子外相に麻生派の議員9人を送り込んだほかは、河野氏をほぼ全面バックアップする形となりました。一方、進次郎氏と石破氏は、それぞれ20人の推薦人のうち、『無派閥』が14人を占めました。この調整には菅氏が関わったとみられ、背景にはふたりの熾烈なキングメーカー争いがある。
また、旧二階派からは満遍なく各候補に推薦人が割り当てられていますが、石破氏の4人が最も多い。こちらも二階氏の思惑が働いているはずです。総裁選の結果が出た後の長老たちの動向にも注目です」(同前)
群雄割拠の様相の総裁選。勝ち名乗りを上げるのは誰か?
取材・文/集英社オンラインニュース班