「Vライバーなので、オフ会は絶対にやらない」
──アンチからのコメントや誹謗中傷はありますか?
ネットの世界では、誹謗中傷に近いようなコメントは一定数ありますよね。「消えろ」みたいなコメントもけっこう投稿されますし。僕はメンタルが強いほうなので、そういうコメントを投げかけられても、「虚しい人だなぁ」と思うだけですね。
あと、投げ銭してくれたファンの中には、「こんなに投げ銭したのに、反応が冷たい」みたいな文句を言う人もいますね。僕もなるべくそういう声が出ないように対応しているつもりですが、ある程度視聴者がいるので、すべてに対応しているとリアクションだけで配信が終わってしまう。なので、大事なのは、やはり投げ銭してもらうまでの「過程」だと思いますし、日ごろの配信に向き合い方だと思います。
それこそ、はじめて配信を見に来た人、そもそもフォローしていない人が投げ銭するわけがないですよね。実際に配信を見て、「面白そうだな」と思ったらフォローして、継続的に見始めたら「この人を応援したい」という気持ちに変わり、それがギフトという形に変わる、というイメージなので。
もちろん、なかにはいろんなことを言う人やクセのある人もいますけど、基本的には僕の配信を見に来てくれるリスナーさんはいい人が多いです。ファンレターのように毎日「大好きだよ」と送ってくれる人もいますしね。なかには「リアルに接触したい」と思っている人もいるかもしれませんが、僕はVライバーなので、オフ会などもやらないと断言しています。
──ライブ配信の次に流行るものは、何だと思いますか?
たとえば、中国では近年「ライブコマース」が成長を続けているんです。ライブコマースはネット通販のようなもので、ライブ配信上で商品をPRして、ボタン一つでその商品を買えるというもの。来年〜再来年ぐらいには日本でもライブコマースがトレンドになると言われています。
TikTok上にまだライブコマース機能はないんですが、実は僕も1回試したことがあって、ロールキャベツとか岡山のフルーツパーラーの盛り合わせを販売して、3時間で110万円ぐらい売れました。
流行りすたりは激しいものですが、ライブ配信はすでに根付いている文化だと思います。特に日本には“推し活”という特有の文化がありますよね。現在の投げ銭システムがすたれたとしても、ライブコマースがトレンドになればモノは売れるでしょうし、配信というコンテンツは長く生き残り続けると思います。
それこそ、2000年代後半から登場したSNSは、あくまでも誰かが作り上げたサービスをユーザーに提供するという形だったわけですよね。その点、配信はユーザーと一緒に作っていくもの。リアルタイムでコンテンツを作るという配信の価値は、ずっと残り続けると僕は思っています。
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インタビューの最後に「まだ認知が広がりきっていないライブ配信を、もっと世間に認めてもらいたい」と話していたきゃべつ氏。記者が失礼な質問をしても実直に答える、しっかりと“芯”がある青年だった。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班