F1で最も成功を収めたレーシングカーデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイは、来年の春に現在のレッドブルを離れ、アストンマーティンに加入することが決まった。
アストンマーティンは先日、イギリス・シルバーストンにある新ファクトリーで大々的な発表会をしたばかりだが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表としては、そうした催し物を行なうには「時期尚早」だったと考えている。
ニューウェイがレッドブルを去ることが発表されて以来、F1では次の行き先が注目の的になっていたが、アストンマーティンと年俸3000万ポンド(約55億4000万円)とも言われる巨額の契約を結びマネージング・テクニカル・パートナーとして加入。株主にもなった。
発表会でニューウェイは大歓迎を受けたが、正式にアストンマーティンに加入するのは来年の3月1日。ホーナー代表は発表のタイミングがずれていると感じている。
「アストンが大々的に発表したのは明らかだし、エイドリアンは常に自身のことをやりがちだ。あのチームにとって大きな瞬間だったのは明らかだ」とホーナー代表は言う。
「彼らは少し早すぎるかもしれないが、彼がレッドブル・レーシングとの契約を終える前に、それ(ニューウェイ獲得)を祝うことを選んだ。ただ、あのチームにとっては大きな瞬間だった」
ホーナー代表は、ニューウェイのアストンマーティン移籍決定が拍子抜けではなかったと認め、ニューウェイの経験がグリッド上位を目指すチームにとって重要な資産になると語った。
「大きな驚きではなかった。引退したり、他のチームに移籍したりするよりも、そっちに行くということが段々とハッキリしてきていたと思う。来年、彼が去ってしまうのは寂しいことだが、我々は彼の将来の成功を祈っている」とホーナー代表は語った。
「エイドリアンは非常にクリエイティブな人で、普通のデザイナーとは違う。まだF1で図面を書いている唯一の存在だと思う。だから必然的に、互いを知り、互いの仕事ぶりなどを知るプロセスが必要になる」
「彼は多くの点でユニークな存在であり、アストンは当然、彼の膨大な経験を活かそうとするだろう」
「我々が共に過ごした20年近くの時間、その間の山あり谷ありをとても懐かしく振り返っているが、将来を楽しみにしているし、そのための体制は整っていると思う」