マクラーレンのランド・ノリスはF1アゼルバイジャンGP予選でQ1敗退に終わってしまった。これについてチーム代表のアンドレア・ステラは、必要のない黄旗による代償を支払うハメになったと嘆いた。
ノリスはQ1の最後のアタックで、Q2進出に足るタイムを記録できそうな見込みだった。しかし、その前方に位置していたエステバン・オコン(アルピーヌ)が低速走行をしていたことが原因で黄旗が出されたため、ノリスはアクセルを戻す必要があり、Q1を17番手タイムで終了することになった。
今シーズン、ノリスはまだドライバーズタイトル争いで逆転チャンピオンの可能性を残しているが、今回の予選で後方にとどまったことが大きな影響を与える可能性がある。
この事態に、チームを率いるステラ代表は忸怩たる思いを抱いており、セッション直後には「黄旗は結局必要なかった」と語った。
なおFIAは、マーカーボードとコックピットのライトを点灯させるシステムによって、ノリスに対して黄旗が表示されたことを認めていた。
黄旗の要因となったのはダメージを負っていたオコンの存在だ。ノリスよりも前を走っていたオコンはターン4でタイヤをウォールにヒットさせており、そのダメージによってピットへ戻らなくてはならなかった。
他のマシンには低速走行のマシンの存在を知らせる白旗が降られていたが、ノリスが追いついたターン18と19ではマーシャルの判断によって、このミニセクションで黄旗を出すことを決定したと理解されている。
motorsport.comの調べでは、ノリスとオコンが走行を続けるとすぐに黄旗は解除され、FIAのオフィシャルはこの判断に満足していたという。
ノリスは黄旗を受けてすぐにアクセルを戻し、無線で報告。そしてもう1周のアタックが無理だと伝えられ、ピットへ帰還した。
エンジニアのウィル・ジョセフは、黄旗について「彼らはああすべきじゃなかった」とコメントしていた。
ステラ代表は「チームは黄旗があるとは言わなかった。出たのが直線だったんだ」とSky sports F1に語った。
「我々も自分たちのツールで今確認をした。そして実際に黄旗として表示されていたため、なぜそうなったのかについてFIAと話し合っている。というのも、ラインを外した位置に遅い車がいても黄旗は必要ないからだ」
「誰もがベストを尽くしていると思うが、今回は理想的に起こるべきではない状態だった」
「我々は代償を支払った。しかし諦めはしない。そして先程も言ったように誰もがベストを尽くしていることを認め、我々も明日ポイントを獲得するためにベストを尽くしていく」
「ランドは結局のところ、タイミング悪く、必要のない黄旗が出される場所にいただけだと思う」
なおマクラーレンは現在FIAにからの説明を待っているという。ただその一方でFP2後のドライバーズミーティングでは、この地点での黄旗にはすぐに従うよう、特に警告されていたようだ。