「ユニクロのフリース」ーー40代以上の人ならこのフレーズに懐かしさを感じるのではないだろうか。
今や売上高が3兆円を超える巨大企業となったユニクロを世に知らしめたのは、1998年から始まったフリースブームだ。当時フリースジャケットといえば、アウトドアブランドのものばかりで、ほとんどの商品が1万円以上した。その時代に1900円という破壊的価格で売り出したのだから、客が殺到したのも当然だろう。あれから26年が経って需要は落ち着き、今では2990円になっていることなどから、かつての勢いはなくなってしまった。
そんな中、ユニクロフリース発売当初の1900円をさらに下回る「1500円」で販売され、毎年売り切れ状態になっているのが、ワークマンの「ストレッチフリースノーカラージャケット」だ。まだ9月上旬にもかかわらず、すでにサイズによっては在庫切れになっており、比較的店舗数の多い東京ですら、ほぼ全滅。追加入荷を待つしかない状況だ。
ファッション誌編集者の話。
「かつてフリースといえばユニクロでしたが、物価高などもあり、気がつけば3000円近くに値上がってしまいました。これはユニクロの他の商品も同じで、徐々にユニクロ離れが進んでいます。代わりに近年台頭しているのがワークマンです。特にフリースは1500円と激安で、機能性や着心地の良さにプラスしておしゃれ感もある。購入当初は若干、毛が抜けますが、しばらく着用&洗濯すると収まります。色違いで購入する人も多く、争奪戦になっています。見つけたら即ゲットが基本ですね」
ちなみにワークマンのフリースにはバリエーションがあり、袖なしの「ストレッチフリースノーカラーベスト」は、さらに驚きの「980円」。特に若い女性に大人気になっているとか。
かつて「デフレの申し子」と呼ばれたユニクロだが、今ではインフレが進んだこともあり、すっかり中価格帯ブランドになっている。より安くおしゃれ感を出したいなら、ワークマンを狙うといいかもしれない。
(ケン高田)