FIA F2の第12ラウンド、バクー戦のフィーチャーレースが行なわれ、トライデントのリチャード・フェルシュホーが優勝。ローディンの宮田莉朋は13位だった。
気温26度、路面温度41度というコンディションでスタートした決勝は、いきなり波乱の展開となった。5番グリッドにつけたインヴィクタのクシュ・マイニがエンジンストールにより動き出せず、そこにオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)やジョセップ・マリア・マルティ(カンポス)らが追突してしまったのだ。
マイニのマシンは大破。マルティのクルマも、一回転するように横転して、大きく壊れてしまった。これによりレースは即座に赤旗中断となった。
40分ほどの中断を経て、レースが再開。しかしこの後のスケジュールが詰まっていることもあって、タイムレースになることが決まった。なおラファエル・ヴィラゴメス(VAR)とニールス・コーレン(AIXレーシング)も再スタートに臨むことができなかった。
4周目から、ローリングスタートでレース再開。この時点で、既にレースの残り時間は28分を切っており、予定されていた29周を走りきれないのは明らかだった。
ポールポジションスタートのリチャード・フェルシュホー(トライデント)が首位をキープしたものの、若干反応が遅れた2番手アンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ)は、3番手のヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)に詰められた。リスタート直後はアントネッリがなんとかポジションをキープしたものの、5周目のターン1でマルタンスがオーバーテイク。2番手に上がった。
そのマルタンスの勢いは良く、先頭を行くフェルシュホーにも襲いかかる。そして7周目のターン1でオーバーテイクを完了し、首位に立った。また後方では、これがF2初ラウンドのクリスチャン・マンセル(トライデント)が、前日のスプリントレース勝者であるジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)をオーバーテイクするシーンもあった。
そのデュルクセンが、7周を終えたところで真っ先にピットイン。タイヤ交換義務を消化した。マルタンスやフェルシュホー、アントネッリも、続く8周終了時点でピットに入った。マルタンスはピットインしてきた他車を待たなければならなかったため、フェルシュホーとアントネッリに先行され、順位を落とした。
ゼイン・マローニ(ローディン)は9周目を終えた時点でピットイン。アントネッリの前でコースに復帰した。しかしアントネッリがそこに急接近し、ターン3でマローニがロックアップしてオーバーラン。アントネッリと接触し、コースオフしてしまった。この間にマルタンスが先行することになった。
各車がタイヤ交換義務を消化する中、予選で大失敗してしまったアイザック・ハジャー(カンポス)ただ1台がスティントを伸ばした。しかし、ペースダウンはいかんともしがたく、12周を終えた段階でピットインした。
フェルシュホーが逃げる中、徐々に残り時間が少なくなっていくが、マルタンスが徐々に差を縮めていく。
しかし15周目、好調なペースで周回を重ねていたガブリエル・ミニ(プレマ)がターン15でクラッシュ。セーフティカー出動となった。
結局そのままの順位でフィニッシュ。フェルシュホーが今季初優勝、マルタンスは追撃のチャンスを失い2位止まりとなった。3位にアントネッリ、4位にボルトレト、5位デュルクセンという順位となった。
フェルシュホーは17周を走り切ったところでチェッカーフラッグを受けた。これでは当初予定されていた29周の75%に届かなかったため、フルポイント付与とはならず。フェルシュホーには19ポイントが与えられることになった。なお、4位に入ったボルトレトは10ポイントを獲得した一方、これまでランキング首位に立っていたハジャーが無得点だったため、ボルトレトが逆転でポイントリーダーに浮上した。
今季のF2の残りはルサイル(カタール)とヤス・マリーナ(アブダビ)の2ラウンド4レースである。