レッドブルのマックス・フェルスタッペンを含む4人のドライバーが、F1アゼルバイジャンGPの決勝レースでチェッカーフラッグを受けた後、まだバーチャル・セーフティカー(VSC)が解除されていないにもかかわらず他車をオーバーテイクしたとして、警告処分を受けた。
F1アゼルバイジャンGPの決勝レースは51周で争われたが、その50周目にレッドブルのセルジオ・ペレスとフェラーリのカルロス・サインツJr.が絡む大クラッシュが発生。この事故でVSCが宣言され、各車はVSC下でチェッカーフラッグを受けることになった。
各車がチェッカーを受けた後もVSCは解除されることはなく、オーバーテイクが禁止されている状態のままだった。しかしそんな中で複数のドライバーが他車を抜いたとして、審議対象となった。
この対象となったのはフェルスタッペン、ハースのニコ・ヒュルケンベルグ、アルピーヌのピエール・ガスリーとエステバン・オコンの4人である。彼らはレース後にスチュワードに呼び出され、いずれも警告処分を受けた。
フェルスタッペンはVSCが解除されていないにもかかわらず、マクラーレンのランド・ノリスやメルセデスのジョージ・ラッセルをオーバーテイク。奮闘を讃え、サムアップしているシーンがオンボードカメラの映像にも映し出されていた。
しかしこの動きは明らかにレギュレーション違反であり、スチュワードは裁定について次のように説明した。
「そのドライバーは、チェッカーフラッグが振られた後、ターン2でのクラッシュによりVSCがまだ表示されている状態で他のマシンをオーバーテイクした」
「ドライバーがチェッカーフラッグの後に他のマシンを抜くことは、決して珍しいことではない。しかしイエローフラッグやセーフティカー、VSCが解除されていない場合は、オーバーテイクが禁止されていることを念頭に置いた」
「ドライバーは事故の場所を認識していたはずだ。しかし緊急の装置やマーシャルがコースに派遣されていたかどうか、それは知らなかったはずであり、慎重にマシンを走らせねばならなかった」
「スチュワードは、今シーズンの初めにも同じようなことが起きたにもかかわらず、当時は気付かれなかったことを認識している。したがって我々は、他の全ての競技者と共に、当該のドライバーたちに対して警告を行なう。さらなる違反を犯した場合には、重大なペナルティが科される可能性がある」