ヴィンテージやアンティークと呼ばれるアイテムは、現代のプロダクツでは味わうことができない雰囲気だけでなく、まだ技術が未熟だった時代のクラフト感やマシンメイドではない時代ならではの魅力、それに年月が生み出した風合いがある。いわゆるアンティークの世界では、いろいろなカテゴリーで価値基準がある程度確立されてはいるけれど、そんな世間のものさしではチョイスしないのがデザイナーの性分。新しいモノでも旧いモノでも、自分目線のものさしを大事にしているスティーブンソンオーバーオールのデザイナーである多賀谷さん。彼の古着やアンティークの選び方は、一般的な価値だけにとらわれることのない、その独特な審美眼も含めて参考になる。


多賀谷強守さん|機能服として生まれたヴィンテージのワークウエアやミリタリーウエアに、もしデザイナーが存在していたらという世界観をプロダクツに落とし込むStevenson Overall Co.のデザイナー。独特なセンスと縫製仕様にまでこだわりを持ったアイテムたちは、日本のみならず世界でも高い評価を受けている。http://www.soc-la.com

使う使わないよりも「持っていたい」と思うことが大事。

1950 Indian 250TT Warrior 

ネットオークションに出品されていて気になっていた車両だったけど、じつは知り合いが代理 出品をしていたという縁も重なって手に入れたインディアン。本来の排気量は250ccだけど、これは750ccのスポーツスカウトのエンジンに換装されているカスタムが珍しい。小さなフレームに大きなエンジンを載せているスタイルが非常に興味深い1台だが、ほとんど乗ること無く現在も宝の持ち腐れ状態。

Vintage Bandana 

もともと旧いバンダナをコレクトしている知人のジョナサンから購入させてもらったヴィンテージのバンダナ。そのバンダナが生まれた時代よりも、自分がバンダナをデザインするときにインスピレーションが湧きそうな柄をチョイスして手に入れた。実際普段の生活ではあまりバンダナを使わないタイプなので、程度も良いまま。コレクションと化している。

Vans Sneakers

アメリカの古着店でずいぶん前に出会った1足。何というモデルかは不明だけど、トゥのアッパー部分を縁取るようにゴムをあしらっていて、Vansのスニーカーを数多く見てきたけれど、これは初めて見たデザインだったので手に入れた。履き心地も良くてヘビーローテーションで履いていたおかげで、ここまでボロボロになってしまった。同じモデルにそれから出会っていないので、Vansの本社に送ってせひ復刻してもらいたいくらいの私的銘品。