ダニエル・リカルド、F1アゼルバイジャンGPで”酷い”グレイニングに見舞われ万事休す「他のマシンよりも、グレイニングの解消に時間を要した」

 RBのダニエル・リカルドは、F1アゼルバイジャンGPの決勝レースを13位でフィニッシュした。リカルド曰く、レース中にタイヤのグレイニングに苦しんだというが、51周レースのうち49周をスタート時に履いたハードタイヤで走破。しかしその戦略が功を奏することはなかった。

 リカルドは14番グリッドから、ハードタイヤを履いてレースをスタートした。レース序盤にはチームメイトの角田裕毅がリタイアしたこともあり、孤軍奮闘となった。

 序盤は好調なペースで走り、ミディアムタイヤを履いてスタートした他のドライバーたちに食らいついていったリカルドだが、徐々にグレイニングに苦しむようになった。

「厳しいレースだったね」

 リカルドはレース後にそう語った。

「レース序盤は大丈夫だった。前にいるミディアムタイヤを履いていたマシンは苦戦しているようだったから、追いつくことができた。僕はその時ハードタイヤを履いていたが、できるだけ長く走って、その上でペースを見つけようとしていたんだ」

「でも、数周走ったところでグレイニングがかなり発生してしまい、それが10周の間にどんどん悪化していった。ペースも数秒遅れてしまうことになった」

「チームは他のマシンのグレイニングが解消するのを確認していたけど、僕らの方がずっと時間を要してしまった」

 グレイニングとは、タイヤの表面に起きるささくれ摩耗のこと。接地面がけばだつようになってしまい、グリップを奪うだけでなく、タイヤを冷やしてしまうことにもつながる。しかしタイヤの温度が適正になり、周回を重ねる中で解消することもあるのだ。

「グレイニングが収まると、僕らは少しペースを取り戻すことができた。でも、その時点でかなり遅れてしまっていた。あんなグレイニングを経験したことはないね」

「ラップタイムの差は最大で4秒もあった。なぜグレイニングが長く続いてしまったのか、理解する必要があるね」

 リカルドのハードタイヤでのベストタイムは、39周目の1分48秒380。しかし14周目から23周目は1分51秒台と、かなりペースを落としていたのが確認できる。

 テクニカルディレクターのジョディ・エジントンも、グレイニングの問題を検証する必要があると語る。

「ダニエルのマシンは、かなりバランスが取れているように見え、順調なスタートを切った。しかしひどいグレイニングに完全に支配され、ペースとポジションを大きく落とすことになった」

「彼はペースを取り戻すことができたが、ダメージを受けていた。セーフティカーが出なければ、挽回することは不可能だった。でもセーフティカーは出なかったので、レース終盤に彼をピットインさせることになった」

「他のチームよりも、グレイニングの影響はかなり大きかったようだ。次のシンガポールGPに向け、修正すべき何かがある。ファクトリーとトラックサイドのチームは、それを実現することに注力している」