FIAはF1シンガポールGPに向けてマリーナベイ市街地サーキットに4つ目のDRSゾーンを追加することを決定した。
これは昨年、ドライバーたちがFIAにオーバーテイクのチャンスを増やすためのDRSゾーンの追加設置を働きかけて失敗したことを受けての決定だ。
シンガポールGPは昨年から、現地の開発工事の影響でレイアウトが一時変更。タイトな4つの直角コーナーがなくなり、ターン14出口からターン16までが実質的なロングストレートとなった。
そのためFIAは、ここにDRSゾーンを追加する可能性について各チームに相談していたが、昨年は「明確な合意」は得られなかったと明かしている。
昨年のシンガポールGPに先立ち、FIAはmotorsport.comに次のように声明を出していた。
「今年(2023年)のレイアウト変更を受けて、FIAは数週間前から全チームに連絡し、フィードバックと意見を求め、それ(DRSゾーンの追加)は考慮された」
「しかし、回答したチームからは明確なコンセンサスは得られず、安全シミュレーションの結果、これ以上この問題を取り上げることはないと決定された」
だが今週末のシンガポールGPでは、昨年実現しなかった4ヵ所目のDRSゾーン追加が決定され、ターン15のキンクを含む、ターン14からターン16のロングストレートでDRSを使用することが可能となった。
ターン13~ターン14でもDRSが使用できるため、ターン14手前で前のマシンと差を縮め、低速コーナーのターン14で離されずについていけば、ターン16へのブレーキングでオーバーテイクできる可能性は高くなったと言えるだろう。
これにより、トレイン状態の走行が常態化しているシンガポールGPで、オーバーテイクのチャンスが増えることが期待される。