人気マンガを実写化した作品では、どこまで原作の世界観を再現できるのかが重要なポイントになります。そのような不安よりも期待の声が多いほど、キャストやスタッフの布陣に注目が集まる作品が今後に控えています。



映画『はたらく細胞』ムビチケカード (C)清水茜/講談社 (C)原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 (C)2024映画「はたらく細胞」製作委員会

【画像】え…っ? 「松本若菜のマクロファージさんぴったり」「深キョンも出るの?」 こちらが実写『はたらく細胞』キャストたちです(4枚)

久しぶりの競演キャストにファン歓喜

 人気マンガの実写化作品では、キャラクターの外見や現実では再現が難しい描写など、原作を映像化するための問題が多くあります。それでもキャストやスタッフの布陣に注目が集まり、再現度の高さが期待される実写版も今後に控えています。

 テレビ東京系列で10月22日より放送を予定しているドラマ『ウイングマン』は、1983年から1985年まで「週刊少年ジャンプ」で連載されていた同題マンガ(著:桂正和)が原作です。本作の物語は特撮オタクの高校生「広野健太(演:藤岡真威人)」が、「ドリムノート」を手にし、5分間だけヒーロー「ウイングマン」に変身できるようになったことから始まります。

 主演の藤岡真威人さんは『仮面ライダー』で「仮面ライダー1号/本郷猛」を演じた藤岡弘、さんを父に持ち、彼自身も2021年公開の映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』で、「本郷猛」役を演じています。

 そして、ドリムノートを消滅させるため地球にきた女性「アオイ」を演じる加藤小夏さんは、同じく桂さんの原作を実写ドラマ化した2018年のWOWOWドラマ『I”s』に出演していたほか、2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で脚光を浴びた女優です。

 また、制作に東映ビデオが名を連ね、監督とアクション監督は『獣電戦隊キョウリュウジャー』『仮面ライダーフォーゼ』といった代表作を持つ坂本浩一さんが担当するなど、その布陣は日曜日の朝に放送されている特撮作品を思わせます。

 その布陣に、SNSでは「藤岡さんの息子が主演で、坂本監督なら期待しかない」「解釈一致どころかその上をいったぞ」「女性が演じるアクションの撮り方が『ウイングマン』の作風にぴったり!」など歓喜の声が出ていました。

 特撮作品といえば、12月13日公開予定の映画『はたらく細胞』(原作:清水茜)で「白血球」役を演じる佐藤健さんの初主演は、2007年に放送された『仮面ライダー電王』の「野上良太郎」役でした。『電王』では姉の「野上愛理」役として佐藤さんと共演していた松本若菜さんも、『はたらく細胞』に「マクロファージ」役で出演します。

 本作は人間の体内で活動する細胞を擬人化で表現した、同題マンガが原作で、実写で初めて「人間側の世界」も描かれます。こちらは阿部サダヲさんと芦田愛菜さんが不健康な父と健康な娘の親子を演じており、2011年の人気ドラマ『マルモのおきて』を思い出す懐かしい共演が実現予定です。

 懐かしい共演だけでなく、スタッフ陣も注目が集まっています。映画『はたらく細胞』では、佐藤さんの代表作である映画「るろうに剣心」シリーズの大内貴仁さんがアクション演出を務めているほか、武内英樹監督と脚本の徳永友一さんも、ともに映画『翔んで埼玉』を制作した間柄でした。

 そのほか公開された「NK細胞」役の仲里依紗さん、「キラーT細胞」役の山本耕史さんらのビジュアルも好評で、実写化成功作を作ってきた十分な実績があるキャスト、スタッフをそろえた『はたらく細胞』は、年末の大きな注目作になりそうです。



映画『アンダーニンジャ』ティザービジュアル (C)花沢健吾/講談社 (C)2025「アンダーニンジャ」製作委員会

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実写化請負人のキャスト、監督に賛否両論

 同題マンガ(著:花沢健吾)を原作とした2025年1月24日公開予定の映画『アンダーニンジャ』は、期待と不安の声が同時にあがっている作品です。本作は映画版「銀魂」シリーズや、映画『ヲタクに恋は難しい』など、コメディタッチの実写化映画を手掛けてきたことで知られる福田雄一さんが監督を務めています。

 福田監督と3度目のタッグとなる山崎賢人さんは主役の「雲隠九郎」役を演じ、事件に巻き込まれていく女子高生「野口彩花」役の浜辺美波さんと初共演となりました。ただ、福田監督作品以外でも2024年公開の映画『ゴールデンカムイ』や、映画「キングダム」シリーズなど、多くのマンガ作品の実写化映画で主演を務める山崎さんが本作でも主演と発表され、なかには「またかよ」「杉元(『ゴールデンカムイ』)やりながら九郎役なんてできんのか」などと、難色を示す声もあります。

 もっともさすが実績十分な山崎さんというべきか、最初は難色を示していたファンもティザー映像が公開されると、「なんかすごく寄せてて悪くないと思っちゃった」「『九郎じゃん』と普通に納得した」「アクション含め任せられるとしたらやっぱ山崎賢人かな」など、期待の声もあがっています。

 また、ティザー映像は緊迫した雰囲気から一転し、九郎が部屋で寝そべるゆるいシーンで締めくくられています。コメディタッチに「現代忍者でーす」とテロップも入っており、「原作のシュールなやり取りの空気感を出せるのか不安しかない」「あの独特な世界観は実写でやったら寒くなる」「結構下ネタとかグロとかあるけど大丈夫なのかな」と、そもそも実写化が難しい題材に対し心配する声もありました。

 花沢さん原作の『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『アイアムアヒーロー』2作の実写版の評判が良かっただけに、『アンダーニンジャ』がどうなるか不安な人も多いようです。それでも作品の良し悪しは実際に観るまではわからないので、公開される日を期待して待ちましょう。

※山崎賢人さんの「崎」は「たつさき」