「ポルシェを受け取るのは、来年(2025年)に入ってからだそうです」とジョディ・エワート・シャドフ(英国/36歳)が教えてくれた。
世界で初めてポルシェを獲得した女子プロゴルファー
ポルシェ ゴルフスポーツ スポンサー担当のジュリア・ミュラー(左)と
ジョディ・エワート・シャドフ(右)
© 2024 Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG
シャドフは、今年7月11日のエビアン選手権初日、16番パー3でホールインワンを達成。その副賞として11万8910ユーロ(約2000万円)のポルシェをゲットした。その納車が来年になるというので、なぜすぐに貰えないのか、そもそも、どういうプロセスを経て納車されるのか、シャドフに詳しく聞いてみた。
この副賞のポルシェは“マカンターボElectric”。ポルシェ初のフル電動SUVで、今年発売されたばかりの新モデルだ。もちろん、エビアン選手権が開催されたフランスでも同車の受注生産を受け付けているが、フランス国外へ輸送するとなればコストや手間がかかる。そこで、シャドフはアメリカで受注し、自宅から一番近い米国フロリダの販売店で受け取れる日を待つことにした、というわけだ。
実は、ポルシェは憧れの車だったらしく「いつか乗ってみたいなーと思っていたので、タイヤの色とか内装とか、どんな風にしようか、すごく楽しみ!」と目を輝かせた。
ちょっと待って、カスタマイズしていいんだ。「はい、内装色、タイヤ、機能性のオプションなど、自分の好みに合わせてカスタマイズできるそうです」副賞は標準装備のものなので、そのカスタマイズの料金や保険代は選手自身で支払う必要がある。
ジョディ・エワート・シャドフと副賞のポルシェ。
大会で置いてあったポルシェの色は、アイスグレーメタリックでシャドフが希望する色
© 2024 Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG
外装の色は無料で選ぶことができる。「(外装色は)3色から選べると聞きました。アイスグレーメタリック(シルバーグレー系の色)に決めています。え、色を選んだ理由ですか?フロリダは暑いんで、濃い色よりも薄い色の方が、暑さ対策になるかなと思って」
こういった詳細は、今秋にシャドフは米国のポルシェの担当者と話し合って、発注するという。
また、シャドフがちょっと気になっているのは税金のこと。「フランスで副賞が当たったから、フランスに税金を支払う必要があるのか、それともアメリカで受け取るから、フランスには支払わなくていいのかなど、調べてもらっているところです」世界各地を転戦する米ツアーならではの諸事情だ。
今年のエビアン選手権最終日。
チェン・ペイユン(左から3人目)が16番でホールインワンを決め笑顔を見せるが、
副賞として大会に提供されたポルシェは1台だけなので、チェンはポルシェ獲得できず
ちなみに、シャドフはポルシェに乗れる日が来るのを心待ちにしているが、副賞で車が当たっても何らかの理由で車が不要なこともある。米ツアーでは、そういった場合、当該選手は受け取ることを断ることができる。
写真=南しずか(写真3枚目)
PHOTO&TEXT Shizuka MINAMI
●みなみ・しずか / 東京都出身。2009 年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「Sports Illustrated」などスポーツ誌に写真を提供。