進次郎陣営に生まれる不協和音の原因は…
そして進次郎氏の足元では、菅義偉前首相に近い若手・中堅らでつくる陣営も一枚岩とは言いがたい状況だ。
「自身も最後まで出馬を模索していた野田聖子氏が、総裁選の告示直前に突如、進次郎陣営に加わることにしたのです。しかも、野田氏が選対本部長を希望しているという情報が、進次郎氏を支援する武田良太氏の耳に入り、武田氏は激怒。結局、野田氏の選対本部長就任は取りやめになりました。
もともと武田氏は、自身が幹部を務めてきた二階派から推薦人を“借りて”前回の総裁選に出馬した野田氏に対し、『その後の感謝が足りない』と快く思っていませんでした。そういうわけで、進次郎陣営内にも亀裂が入っているのです」(自民党関係者)
もともと野田氏は選択的夫婦別姓の導入に前向きな姿勢をアピールするなど、自民党内ではリベラル色が強い。そのため、「野田氏が支援に回ったことで、ますます小泉氏が選択的夫婦別姓に積極的な印象がつき、保守層からは敬遠される」(同前)といった影響も出ている。
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キングメーカーの座を奪われそうだったあの人が巻き返し?
「決選投票が石破氏VS進次郎氏となることは、『石破嫌い』かつ、進次郎氏のバックにいる菅前首相とも関係がよくない麻生氏としては最悪のシナリオでした。そしてその2人の決選投票なら、進次郎氏が優勢のため、麻生派が出てきてキャスティングボードを握る幕はないと思われていました。
ただ、石破氏VS高市氏なら現状、大差がつかないとみられており、50人以上の麻生派がキャスティングボードを握れる可能性が出てきます」(全国紙政治部記者)
永田町ではすでに決選投票を見据え、麻生派が麻生氏の天敵・石破氏に恩を売り、麻生氏が石破政権における影響力を確保するシナリオや、決選投票で旧岸田派とも行動をともにし、麻生派・旧岸田派の大きなかたまりとして主流派になろうとするシナリオなどがささやかれているという。
総裁選の投開票まであと1週間あまり。進次郎氏の一言一句が、自民党の重鎮の今後をも左右しそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班