2009年のF1王者であり、現在は世界耐久選手権(WEC)に参戦しているジェンソン・バトンは、いつまでプロとしてモータースポーツをしたいのか決めていないとして、来季のWEC参戦も検討中だという。
バトンにとって今季のWECは2019年のスーパーGT以来、久々のシリーズフル参戦となっているが、彼は以前WECを2シーズンのプログラムとして見ていると述べていた。つまり、バトンのスタンスは変化しているようだ。
バトンは、現在所属しているJOTAが来季キャデラックのファクトリーチームに体制を移行する中で、チームに残ることを話し合ったかと聞かれ、次のようにmotorsport.comに答えた。
「話したよ。そうだね。どうなるか見てみよう」
その話し合いの結果について前向きかどうか尋ねられたバトンは、曖昧な答えを返した。
「まあ、それは僕がどういう結果を望んでいるかによるね。僕は望む結果を得ることに前向きだ」
「これからどうなるか見てみよう。今話しあっているところだ」
来年もWECに残りたいかという質問には「ああ、それはまた別の話だ。これ以上は何も言えない」と付け加えた。
「トップカテゴリーで、この短い期間で、このチームが今年成し遂げたことをとても誇りに思う」
「メーカーと仕事をするというのは一大事だ。GMやキャデラックのような大きなメーカーは、勝つためにここにいる。ル・マンは重要だけど、世界選手権も同様だ」
バトンは2019年にスーパーGTを戦って以来、NASCARカップシリーズ、IMSAスポーツカー選手権、エクストリームEなど、様々なシリーズに散発的に参戦していた。
昨年、ヘンドリック・モータースポーツのシボレー・カマロLS1を改造したNASCARカップカーに乗り、ガレージ56枠でル・マン24時間に参戦。今年はポルシェのカスタマーチームとして2台体制に拡充したJOTAから、WECにフル参戦している。
彼はカタールでの開幕戦から目覚ましい成長を見せ、先週末の第7戦富士6時間ではチームメイトのフィル・ハンソンとオリバー・ラスムッセンとともに6位入賞を果たした。
バトンはWECを主戦場とする傍ら、レジャーとしてヒストリックカーレースにも参戦しており、最近ではラグナセカで開催されたモントレー・モータースポーツ・リユニオンに姿を見せた。
来年45歳になるバトン。プロドライバーとしていつまで第一線のモータースポーツに参戦し続けるかについては明言をしなかった。
将来について質問され、彼は「分からないよ」と答えた。
「今は家族もいるし、あと何年も真剣にレースをしたいとは思わない」
「いつだって楽しむためにレースをするさ。クラシックカーのレースが大好きなんだ。クラシックカーのレースは僕にとってとても大事なんだ」
「だから、50代になるまでレースを続けたいと思うレーサーな自分は、僕の中にずっといる。でも、それはプロとしてではない」
「いつか腕がなまるのは確かだけど、でもまだそんな感じはないんだ」
来年レースをするかしないかの判断材料は何かと聞かれ、彼は「来年レースに出たいかどうか、それだけだ」と付け加えた。
前述のように、これまでハイパーカークラスでポルシェ963をカスタマーチームとして走らせてきたJOTAは、2025年にチップ・ガナッシから引き継ぐような形でキャデラックのファクトリーチームとなり、2台のキャデラックVシリーズ.Rを走らせる予定だ。
motorsport.comの調べでは、そのドライバーラインアップに非GMドライバーが3人入る余地があるという。