既刊100巻を超える人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』には、これまでに過去回のオマージュシーンがいくつも描かれてきました。特に最終章に突入した「エッグヘッド編」では複数の過去回を彷彿とさせるシーンが登場し、多くの読者の胸を熱くさせたようです。



過去回のセルフオマージュがいくつか描かれたエッグヘッド編 画像はアニメ『ONE PIECE』エッグヘッド編キービジュアル (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

【画像】え…っ?「ルフィvsルッチ」の再戦カッコよ!こちらがセルフオマージュされた「パンチ激突」シーンです

名バトルが再びか?

 人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』は連載が27年目を迎え、コミックスが100巻以上発売されるなど長く愛され続けている作品です。話数も1000を超える膨大な量であるこの作品は、これまで過去回のオマージュシーンがいくつか登場しています。例えば、「麦わらの一味」がバラバラになったあと、2年後に「シャボンディ諸島」で再集結した598話の扉絵は、第1話の扉絵と同じ構図で主人公「モンキー・D・ルフィ」や航海士の「ナミ」が描かれていました。

 このようなセルフオマージュが登場するたびに、作者の尾田栄一郎先生の粋な演出に対して、ファンがたびたび盛り上がっています。特に「エッグヘッド編」では、物語が最終章に差し掛かったこともあってか、複数の過去回を彷彿とさせるシーンがありました。

 例をひとつ挙げるとすれば、ルフィと「ロブ・ルッチ」の再戦ではないでしょうか。ルフィとルッチは過去に「エニエスロビー編」で戦い、ルフィが勝利を収めています。

「エッグヘッド編」で再登場したルッチは、「ネコネコの実 モデル:豹(レオパルド)」の能力を覚醒させており、「ゴムゴムの実」を覚醒させ「ギア5」に到達したルフィと激しい戦いを繰り広げました。その際、「エニエスロビー編」でのシーンがセルフオマージュされており、成長したふたりの戦いに感激したファンも多いのではないでしょうか?

 オマージュされたシーンは、409話のルフィとルッチが拳をぶつけるシーンで、まったく同じ構図で拳をぶつけるコマが「エッグヘッド編」の1069話にて描かれました。懐かしさを覚えるルフィとルッチの再戦に「ふたりの成長を感じる」「欲を言えばルッチを倒したJET銃乱打(ガトリング)もオマージュして欲しかった」という声があがっていました。

 同じように「ウォーターセブン編」で、「ゾロ」と「カク」が出会ったシーンのセルフオマージュも描かれました。ゾロとカクが出会ったのは第326話のことで、当時の麦わらの一味の船「ゴーイング・メリー号」を査定しに来たカクと、メリー号の船番中に居眠りをしていたゾロが接触しました。

 一方「エッグヘッド編」では停泊していたサニー号を壊そうとしたカクが「嵐脚 周断(あまねだち)」を放とうとしたところ、サニー号の船番をしていたゾロがその気配を感じ取り起床します。この一連の流れが「ウォーターセブン編」と似ている、と多くの読者が喜んでいました。

 ちなみに、このシーンでは予備動作なく「嵐脚 周断」を披露するカクと。その技を余裕ではじくゾロ、ふたりの成長もしっかり確認できます。

 そのほかにも「シャボンディ諸島編」のセルフオマージュもありました。

 それは、ルフィが海軍大将の「ボルサリーノ(黄猿)」を止めるシーンです。「エッグヘッド」に攻め入った黄猿に対し、ルフィは蹴りで止めに入ります。この場面は構図こそ違いますが、498話で描かれた、元「ロジャー海賊団」の副船長でルフィの師匠でもある「シルバーズ・レイリー」が黄猿を蹴りで止めるシーンと似ていました。師匠と同じように海軍大将を止めたルフィに感動を覚える読者が多かったようです。

 また、このときルフィは黄猿に向かって「おれ達は2年前の 100倍強ェぞ」と言い放っています。このセリフも「シャボンディ諸島編」で「シャッキー」がレイリーを紹介するときの言葉「ボーヤ達の100倍強いから」というセリフとリンクしており、「シャボンディ諸島編」とのつながりを感じられます。

 このように「エッグヘッド編」では、新世界突入以前の過去回のオマージュがいくつも描かれました。ファンにとってたまらない展開に、気持ちを熱くした読者も多かったのではないでしょうか?