20年で日本を変える
──自身が国政選挙に出馬する考えは?
私が289人おったら政権交代できるけど、ひとりやからね。一国会議員になってもしょうがないんです。総理になれれば日本を救うことはできますよ。総理大臣は人事権を持っているから、内閣の布陣を替えられるし官僚も替えられる。予算だって増やすことができます。総理が本気になったら、日本を復活させられるに決まってます。
ただ、そこに至るまでの過程はそう簡単じゃない。まずは世論を高めて国民の味方となる人たちと大同団結し、候補者調整をし、衆議院議員選挙で過半数を取る。段階を踏まなければいけません。
──考えに賛同する人たちと「救民内閣」を実現するシナリオを描くことが、今の自身の仕事だと。
そうです。最初の政権で予算を通そうとしても、政権をとった側の国会議員の中にも財務省の言いなりの議員が数多くいて、財務省の意向に反する予算案には賛成しないでしょうから通りません。そこで解散総選挙をして、永田町の政治に染まった議員は公認せずに差し替えます。国民のための政治をする新人を擁立してひっくり返すんです。
そうして2回目の総選挙で勝ったら、関連法案を通すために2回の参議院選挙にも勝つ必要がある。その間にもう一度衆議院選挙があるので、方針転換を行なうまでに5回の選挙が必要になると考えています。
5回選挙で勝ったら、そこからが本当のスタート。経産省も文科省も総務省もなくす「中央省庁大改革」をして無駄金を省きます。さらに47都道府県と約1700の市町村を一体化する「廃県置圈」を実行。行政を3層構造から2層構造にすることで無駄なコストが省けるし、地域ごとの特性を生かすこともできると考えています。
まずは財務省に打ち勝てるくらいの理論武装がいるので、具体的に数字を出さないと。それを思うとやることがいっぱいあるんです。
「日本の官僚制度を打破して国民を救う」という、亡き恩師・石井紘基さんのやりかけの仕事を引き継ぐことは、そう甘くない。実現するには20年くらいかかるかな。でも20年あったら、実現できる自信はあります。
取材・文/松山梢
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『わが恩師 石井紘基が見破った官僚国家 日本の闇』
泉房穂
2024年9月17日1,045円(税込)円(税込)新書判/256ページISBN: 978-4-08-721330-02002年10月、右翼団体代表を名乗る男に襲撃され命を落とした政治家・石井紘基(こうき)。当時、石井は犯罪被害者救済活動、特殊法人関連の問題追及等で注目を浴びていた。その弱者救済と不正追及の姿勢は、最初の秘書・泉房穂に大きな影響を与えた。石井は日本の実体を特権層が利権を寡占する「官僚国家」と看破。その構造は、今も巧妙に姿を変え国民の暮らしを蝕んでいる。本書第I部は石井の問題提起の意義を泉が説き、第II部は石井の長女ターニャ、同志だった弁護士の紀藤正樹、石井を「卓越した財政学者」と評する経済学者の安冨歩と泉の対談を収録。石井が危惧した通り国が傾きつつある現在、あらためてその政治哲学に光を当てる。