台風接近に伴い第5戦鈴鹿が延期となったことにより、スーパーGTは約1ヵ月半のインターバルが開き、今週末(9月19日〜20日)はスポーツランドSUGOで後半戦最初のレースである第6戦が行なわれる。しかしながら、今週末も天気予報は芳しくない。
予選日は終日、決勝日は昼過ぎまで雨予報。特に予選日は降水量が多くなることが予想されており、3mm/h〜4mm/h程度になるだろうといった予報から、時間帯によっては5mm/hを超えるだろうという予報もある。
ではスーパーGTの車両は、どのくらいの雨量であれば耐えうるのか? それについてもドライバーやエンジニアなどの関係者間でも意見が分かれており「4mm/hは厳しい」「3mm/hでギリギリだろう」「2mm/hでもヤバい」など様々だった。いずれにせよ、セッションを実施できる絶妙なラインの雨量になる可能性がある。
また、マシンが走行できるかどうかは持ち込まれるウエットタイヤのコンパウンドや、コース上に川ができているかどうかなどにも関わってくるため、雨量だけで一概に判断することはできないだろう。
「例えば5台、6台だけコース上にいて、雨量が3mm/hだと、とても走れないくらいだと思いますが、全車がドバッと走れば(雨がかき出されることで)なんとか走れる状況になるかもしれませんしね」と語るのはmuta Racing INGINGの渡邊信太郎エンジニアだ。
GT300クラスに関しては、今回から規則変更によりQ1の組分けが撤廃され、全車が20分間のセッションで順位を競う。当日のコンディション次第という部分もあるが、ウエットセッションは走れば走るほど路面コンディションの向上によりタイムが上がっていくことや、赤旗などのリスクを考えると、予選では27台が走りっぱなしの状態になるだろうと渡邊エンジニアは言う。
「(組分けなしのQ1は)富士とか鈴鹿であれば、極端には心配ありませんが、SUGOで全車一斉に、というのはかなりカオスですよね」
「雨だったらずっと走ることになると思います。イエローもたくさん出るかもしれないし、赤旗も出るかもしれないことを考えると、ずっとコース内にいないといけないということになりますよね」
その他取材の中では、同じくウエットコンディションとなった6月のスーパーフォーミュラSUGO戦フリー走行での岩佐歩夢のように、ホームストレートで上り勾配から平坦になるポイントでリヤの荷重が抜け、ハイドロプレーニングを起こしてスピンしてしまうことを危惧する声もあった。ランオフエリアが特に狭いホームストレートでのスピンは、コース上で止まったマシンに後続車が突っ込んでしまう可能性があるため、危険だという指摘もあった。
また関係者の話を聞く限りでは、予選の実施可否の判断は当日の雨量を見ながらという形になりそう。少なくとも、金曜中に何らかの発表が行なわれることはないと思われる。
明日のスーパーGTは、9時15分から練習走行が、そして14時45分から公式予選が予定されている。