〈ついに不信任案可決〉「部下の顔と名前を覚えない」「説明したことも“聞いてない”とブチギレ」県職員が斎藤知事に辞めてもらいたい本当の理由…公約の着手・達成率「98.8%」も検証不可能な状況に

公約達成率98.8%を盾にするが…

県知事の業務が多忙を極めることは確かだ。元土木部長の杉浦氏も、知事が受ける施策レクは膨大な数に上るため「知事の頭に彫り込まれるように」各部局は細心の注意を払って準備を行ないレクに臨むという。

ところが斎藤知事は、レク内容を忘れると、それを顧みるどころかパワハラ言動で担当者にその責任を押し付けてきたようなのだ。
さらに「忘れたのは施策だけではない」との証言もある。

「知事にはついていけないと、片山副知事ら側近グループの県幹部は7月末に次々と知事のもとから逃げ出しました。その穴埋めに登用された幹部がいます。本人はむろん優秀な公務員なのですが、彼も“被害者”の一人です。

彼が局長になった当時、重要施策のレクのために知事室に入りました。ところが聞いていた斎藤知事は『なんでこんな重要な施策の説明に局長が来ないのか』と怒り始めたのです。

目の前にいる人物は自分が少し前に局長に登用した人物なのに、忘れていたわけです。この話は斎藤知事が業務を管理できないことを示す決定的な逸話として知れ渡っています」(県関係者)

斎藤知事はことし8月1日に知事就任から3年を迎えるに際し、選挙での173項目の公約のうち171項目を達成か着手しており着手・達成率は「98.8%」だと自画自賛していた。

だが、その公約の内容は今、知事のホームページから消されている。その理由を不信任決議が行なわれる前日の9月18日に記者団から聞かれた知事は、選挙で選ばれた政治家であることを放棄するような発言もしている。

「(公約は)選挙戦中ですから掲げると思いますけど、就任した後は県政を県知事としてやっていくことになりますので、そこはいったん外しておくというのは自然な判断だと思います。とくに今回急に外したというのではなくて、だいぶ前に外さしていただいたということです」(斎藤知事)

選挙が終わると公約をホームページから「いったん外しておく」ことが普通なのだろうか。

「不信任案可決が迫った9月中旬から、SNS、特にXで『♯斎藤知事がんばれ』というハッシュタグとともに斎藤氏を応援するようなポストが急増しました。
日中は活発な書き込みが夜になると急減するとの指摘もあり、組織的な動員が行なわれている可能性も指摘されています。

こうした“応援団”が挙げるのが、公約達成率が高い有能な斎藤知事を辞めさせるのは不当だ、という主張です。
しかし肝心の公約の反故を斎藤知事自身が公然と行なったことで、有能とみなす根拠もなくなりましたね」(フリージャーナリスト)

公約が何だったかも示さない。部下職員が練り上げた施策は通さない。斎藤知事が退場勧告を突きつけられても「前に進めたい」という県政とは何なのか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班