フェルスタッペン、F1公式記者会見での悪態で“社会奉仕”活動の刑。話題の高まりもあり「より重い罰則を科す」とスチュワード

 FIAスチュワードは、F1シンガポールGPの公式記者会見で暴言を放ったレッドブルのマックス・フェルスタッペンに対して「公共の利益のために何らかの活動を行なう」よう命じた。

 グランプリに先立つ木曜日に行なわれた公式記者会見で、前戦アゼルバイジャンGPでチームメイトのセルジオ・ペレスよりも遅かった理由を訊かれたフェルスタッペンは、放送禁止用語を用いて答えた。

「わからないよ。セットアップが違った。予選に入った瞬間、マシンが“クソ”だと分かったんだ」

 シンガポールGPのFP1開始直後にスチュワードが発表した声明によると、フェルスタッペンは国際モータースポーツ競技規則第12条2項1kに違反したため、召喚の対象となった。

 同条文には「FIA、FIAの組織、FIAのメンバー、またはFIAの執行役員に対する、さらに一般的にはモータースポーツの利益やFIAが擁護する価値観に対して、誹謗中傷や損失を引き起こす、いかなる言葉、行為または記述」も違反であるとされている。

 FIAが公式記者会見での悪態を厳しく取り締まったのは、今回のフェルスタッペンが初めてではない。昨年のラスベガスGPでは、フリー走行中に発生したコース上の排水溝の蓋が外れるアクシデントを受けて、フェラーリのフレデリック・バスール代表とメルセデスのトト・ウルフ代表が過激なコメントを発し、スチュワードから警告を受けていた。

 またシンガポールGPの前には、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長が、ドライバーの走行中の悪態を放送することは子どもの教育上いかがなモノかと提言。使用を控えるよう求めており、過激なコメントはF1で大きな話題となっている。

 そして審議の結果、スチュワードはフェルスタッペンの発言が国際モータースポーツ競技規則に違反していたと断定。罰則として社会奉仕活動を行なうよう処分を下した。

 スチュワードの報告書には次のように記された。

「記者会見のような公の場で使用される言葉が、全ての視聴者や放送に対して一般的に受け入れられている基準を満たすようにすることがFIAの方針だ」

「世界選手権を戦い、スポーツ内外で模範となるべき人々の発言は、特にそうだ」

「このことはFIAの規則にも明記されており、特に2023年にラスベガスで行なわれたF1でのスチュワードに持ち込まれた過去の事例を通じて強化されてきた」

「スチュワードはシンガポールで行なわれたFIA木曜日ドライバー記者会見の記録を確認し、1号車のドライバーであるマックス・フェルスタッペンがアゼルバイジャンでのイベントで自身のマシンについて、一般的に『粗野、無礼』または『不快感を与える』可能性があり、放送にふさわしくないとされる言葉を使用した」

「これは国際モータースポーツ競技規則の第20条で定義される『違法行為』に該当し、第12条2項1kの違反だ。スチュワードは、この言葉が誰に対しても、いかなるグループに対しても向けられたモノではないと留意した」

「スチュワードに召喚されたドライバーは、使用された言葉は彼が学んだ普通の会話であり、英語が彼の母国語ではないと説明した。スチュワードはそれが事実かもしれないと受け止めているが、公の場で話す時、特に特別なプレッシャーがかかっていない時に気を配ることを学ぶのは、模範となるドライバーにとって重要なことだ。フェルスタッペンは自身の行動について謝罪した」

「スチュワードは、特定のグループにとって不快な言葉遣いや、特定のグループに対して不快な発言をした場合、多額の罰金が科されるということを理解している。今回のケースはそうではない。しかし、この話題は以前から提起されており、競技者たちにもよく知られているため、スチュワードは、FIAスポーツ担当事務総長との調整のもと、フェルスタッペンに以前よりも重いペナルティを命じ、『公共の利益のために何かしらの活動を完了する義務(国際モータースポーツ競技規則第12条4項1.d)』を科すことを決めた」