フェルスタッペンもFIA会長の”暴言禁止”発言に反論。そして角田裕毅に金言?「君はバスケやったらいいよ……なんなら僕の肩に乗ってさ」

 FIAのモハメド・ベン・スレイム会長が、無線での暴言禁止を提言したことを受けて、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとRBの角田裕毅が「他のスポーツでは無線が放送されることはほとんどないのに」と反論。その中でフェルスタッペンは角田に対し、「君はバスケットボールをやるべきだ……何なら僕の肩に乗ってもいいよ」と語った。

 ベン・スレイエムFIA会長は、最近のF1では放送される無線交信で暴言が多すぎると懸念。ドライバーや国際映像を作るFOMに対して自制を求めている。

 このことについてフェルスタッペンは、他のスポーツならば無線が放送されることはないと反論した。

「他のスポーツでは、マイクをつけて走り回るようなことはほとんどない」

 そうフェルスタッペンは語った。

「他のスポーツだって、アドレナリンが溢れている時に悪いことを言ってしまう人が多いと思う。でも、それは取り上げられない。F1では、おそらくエンターテインメント的な目的もあるんだろうが、色んなことが発信され、それを人々が拾い上げ、SNSで議論され、さまざまなトラブルに見舞われる可能性がある」

「つまり放送しなければ誰も知らないんだ。チームだけは知ることになるけど、それは内部で対処すればいい。でもそうだね、これはスポーツ界だけじゃなく、世界全体の影響もあるんだろう。人々は、色々なことに対して少し敏感になってると思う」

 角田もこのフェルスタッペンの意見に同意した。

「確かに世間は敏感になってると思います。僕らには無線のシステムがあるので、テレビで悪態をついてしまうことになるんです」

 そう角田も言う。角田は無線での暴言が多すぎるとして、F1デビュー以来度々指摘されてきた。今季はそれも落ち着いたと評価されていたが、オーストリアGPの予選で侮蔑的な暴言を発したとして、約690万円もの罰金の支払いを命じられてしまった。

「でも他のスポーツ……たとえばフットボールやバスケットボールで選手全員にマイクをつけたら、きっとみんな悪態をついていると思いますよ。僕らには無線なんかがあるから……」

 そう角田が言いかけたところで、隣にいたフェルスタッペンが見事な”カットイン”を見せる。

「そうだよ! 君はさ、間違ったスポーツをしてるんだよ。バスケットボールをしなくちゃいけない!」

 角田はこれにこう返す。

「たぶんね。そう思う。アメリカにいたらさ」

 ここで再びフェルスタッペンがカットインだ。

「僕の肩に乗ってもいいよ!」

 角田はフェルスタッペンの冗談には、暴言では返さず、しっかりと自分の意見を語った。

「そりゃあいいね」

「でも、性格とは言わないけど、物事の一部だと思います。明らかに限度を超える言葉もあります。今年は僕も言ってしまいました。でもそれも、感情を表現する世界の一部なんだと思います」

「それがなぜ問題になるのか分からないです。FIAの人たちでさえ、時々悪態をつくことだってあると思います」

 なおこの会見中、フェルスタッペンは不適切な言葉を使ったとして、社会奉仕活動を行なうよう命じられた。