ファッションアイコンであり、多くの人の日常に不可欠となったAirPodsの標準モデルの第4世代。ノーマル(2万1800円)と、アクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載モデル(2万9800円)の2種類がある。従来、AirPods Proにしか搭載されていなかったANCが、標準モデルのAirPodsに搭載された意義は大きい。実際に聞いて見ると、非常にナチュラルな良い音を聞かせてくれるのだが、では上位モデルであるAirPods Pro 2(3万9800円)とどちらがいいのか?
AirPodsは4世代目、AirPods Proは(変わらず)2世代目
初代AirPodsが発表されたのは2016年で、iPhone 7と一緒にサンフランシスコのマッケナリーコンベンションセンターでお披露目された。初めてUSのアップルの発表会に行った時なので、よく覚えている。
2016年9月にSFのマッケナリーコンベンションで開催されたiPhone 7の発表会にて。筆者にとって、初めてアップルのUSの発表会の取材だった。
まだ、iPhoneには有線ヘッドフォンが付属していた時代で、一般的なワイヤレスヘッドフォンは使用するたびにペアリングするのが面倒で、充電方法や、装着方法にもいろいろ課題を抱えていて、ひとことで言えば面倒な存在だった。
ケースにバッテリーを内蔵し、ケースに入れるだけで充電可能にし、ケースを開いた途端にiPhoneに接続される……というパッケージングは非常に衝撃的で、のちに多くのワイヤレスイヤフォンが模倣するようになった。
AirPods 4(右)と、従来モデルのAirPods(第3世代)。ケースが小さくなって、ポケットに入れやすい。また、LEDランプが消灯時は見えない仕様になった。
それ以前のワイヤレスイヤフォンは耳栓のように耳に差し込む形状が多かったが、外にカウンターウェイトに相当する部分をたらすことで、耳に引っかける形状として、耳に負担なく安定して装着できるようになった(とはいえ、耳のカタチは十人十色なので適合しない人もいる)。初代の価格は1万6800円で、「高すぎる」と言われたが、信じられないほど売れて、世界中の人が利用するようになった。
次に衝撃的だったのは、初代AirPods Proで、2019年発売。この小さなボディに、オンにすると急激に世界が静かになるANCを搭載したのが驚きだった。
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AirPods 4と、AirPods Pro 2を比べると
AirPods 4では、ついにスタンダードモデルにANCが搭載された。
AirPods 4と、AirPods 4(ANC搭載)と、AirPods Pro 2、それぞれ、どれを選べばいいのだろうか?
外見上は大きな違いがないAirPods 3(左)と、AirPods 4(右)。搭載チップがH1からH2へと進化したので、性能はAirPods Pro 2に迫るものになった。
結論から言えば、金銭的に余裕があれば、筆者はAirPods Pro 2を買うと思う。
ただ、このAirPods Pro 2、「苦手だ」という人が一定数いる。
理屈上、カナル型とは違って、普通のAirPodsと同じように、カウンターウェイトで耳に引っかける仕組みなのだが、イヤーピースで密閉する構造なので、密着する感じがイヤという人もいる。また、ANCが強烈に効くおかげで、怖いほど静かになる。その密閉感がイヤという人もいる。
筆者は、AirPods Pro 2を使うのは、音声通話と、電車の中などで音楽やPodcastを聞くようなケースが多いので、外の雑音はできるだけない方がいい。当然音楽も会話も聞き取りやすい。ANCがしっかり効くのも怖いタイプではないので、AirPods Pro 2がいいというわけだ。
小さなAirPods 4だが、おどろくほどのテクノロジーが内部に詰まっている。H2チップはもちろん、バッテリー、ドライバー、いくつかのマイク、ジャイロセンサー……など信じ難い集積技術だ。
AirPods 4は、AirPods Pro 2に搭載しているH2チップが搭載されているので、おそらくANC能力には差がないはず。ただ、イヤーピースで密閉されているかどうかで、やはり差が出るのだろう。
余談だが、AirPods Pro(第1世代)は2019年10月発表。(第2世代)は2022年9月発表で、その後MagSafeケース、USB-Cケース、適応型オーディオ会話感知、ヒアリング補助など、さまざまな機能がアップデートとして追加されている。3年サイクルだとすれば、2025年の秋に、新しいH3チップを搭載したAirPods Pro 3が登場することになるのではないだろうか? AirPods Pro 2狙いの人は、それも頭に入れておいた方がいいかも。
軸部分下側のの端子らしきパーツが、2つから3つになった。この部分がケースの端子に接触して、充電をする。よく見ると、小さな穴も空いていて、ここが通話用の指向性マイクになっており、他の部分のマイクと連動して、声の分離などを行なう。