『Dramatic DENSHI Ticket in SHINJUKU』が20日、東京・新宿FACEで行われ、9・29後楽園大会のDDT EXTREME王座蛍光灯IPPONタッグデスマッチ「王者・勝俣瞬馬&須見和馬vs挑戦者・彰人&夢虹」へ向けた公開調印式で勝俣が不安材料を露呈してしまった。
蛍光灯IPPONデスマッチは彰人の代名詞的な試合形式。リング上に蛍光灯が1本用意され、それを割った選手が敗者となる。今回は「もっとスリリングにしたい」との彰人の要望によってタッグマッチに。王者、挑戦者双方のパートナーも試合権利を有し、王者・勝俣のパートナー・須見が勝利の場合は王座防衛、挑戦者・彰人のパートナー・夢虹が勝利した場合は王座奪取となる変則ルール。王者・勝俣のパートナーが敗北の場合も挑戦者・彰人の王座奪取、挑戦者・彰人のパートナーが敗北の場合も王者・勝俣の防衛となる。
パートナーの責任は重大。挑戦者組の夢虹は「彰人さんにパートナーに指名していただき、すごくうれしいです。蛍光灯と夢虹という組み合わせってあまりなくて、驚いてる人も多いと思うんですけど。蛍光灯デスマッチに向けて怖いとか、そういう気持ちはあまりなくて、楽しみとかワクワクしてるとかプラスの気持ちが強いです」と強気で、「対戦相手の2人はパートナーが僕で油断してると思うんですけど。蛍光灯デスマッチで新しい夢虹を出して、初めてプロレスを見るお客さんも多いと思うんで、プロレスの楽しさを知ってもらったり、面白さを知ってもらって、その上で彰人さんにベルトを獲ってほしいと思います」と自らの新境地開拓によって彰人を援護射撃するつもりだ。
「EXTREMEのベルトはDDTのベルトのなかで、一番思い入れのあるベルト」と言い切った彰人は2022年8月に第54代王者から陥落以来、2年ぶり5度目の戴冠を狙う。「そんな思い入れのあるベルトだからこそ、自分が挑戦したいチャンピオンが現れたとき、タイミングを見て挑戦しようと思ってた」と満を持しての挑戦で、「勝俣瞬馬という現チャンピオンが、EXTREME史上で代表するチャンピオンになったんだろう」と認めた。一方で僕もEXTREMEを代表するチャンピオンだったという自負がある」と言い切った。
自身が考案したルールとあって彰人は「誰とでもやれるわけじゃないし、誰とでもやりたいわけじゃない。このルールで前回の蛍光灯IPPONデスマッチ以上のものを生み出せる者としかやりたくない。それをクリエイトできるのは勝俣瞬馬、そしてタッグパートナーの夢虹」と確信。申し分なしのシチュエーションに「僕が考えたルールだからこそ、僕が勝って、このベルトを腰に戻したい」と奪還を期した。
王者・勝俣のパートナーとなる須見は「勝俣さんにパートナーに指名してもらって、すごいうれしくて。相手チームは見るからに、30何歳と高校生。明らかにビジネスパートナー。こっちはプライベートでもかわいがってもらってて、こんな最高のタッグないでしょ」と絆の違いを強調。「このビジネスタッグには負けない。勝俣さんの最高のパートナーやって、しっかりアシストして防衛できるように頑張りたい」と意気込んだ。
勝俣は6度目の防衛戦。「このEXTREMEの価値を上げるためには、彰人という選手を超えなきゃいけないと、ずっと思ってたことで。僕もやらなきゃいけないと思ってたタイミングなんで。彰人さんが挑戦表明してくれて、僕への思いも伝えてくれて、ホントにうれしく思います」と彰人の挑戦を歓迎、「須見ともこの前、作戦会議してルールも口頭で説明して、わかってくれたみたいなんで、一緒にやろうな」と須見に呼びかけた。
ところが須見は「ルールは割ったら勝ち?」とルールを把握できていない様子。すかさず彰人が「合ってる。須見君、割ったら勝ちだから、試合始まったらすぐ割り合おう」と間違った認識を植えつけると、須見は「望むところです。何十本でも。彰人さんの頭で蛍光灯割りたいと思います」と言い出す始末だ。
これには勝俣も「何本でもじゃないよ! 聞いた? 1本なんだよ。割っちゃダメなんだって。言ったじゃん」と涙目になりながら念押し。「副社長(実際には取締役)がルール考えたんだから、彰人さんが言ってることが正しいんじゃない?」と聞く耳を持たない須見に「正しくないよ。ウソついてるんだよ。この人は。彰人さんを信じようとしてるの? ルール考えたのは僕だからね。割っちゃダメだよ。そんな簡単なルールがEXTREMEでどこにあるんだよ。よく考えて」と必死に説いた。須見も理解を示したようだが、勝俣が不安材料を抱えてしまったのは間違いない。