マリーナベイ市街地サーキットを舞台に開催されているF1第18戦シンガポールGP。フリー走行3回目でトップタイムを記録したのはマクラーレンのランド・ノリスだった。RBの角田裕毅は11番手だった。
FP3は初日に行なわれた2回のフリー走行から得られたデータを基に、各チームが調整を加えたセットアップを試す最後の機会。気温30度、路面温度37度、湿度76%と蒸し暑いコンディションの中、1時間のセッションが現地17時30分からスタートした。
最初にコースインしたのはアストンマーティン。ミディアムタイヤとハードタイヤで1セットずつチーム恒例の“皮むき”を行なった。
他チームがガレージに留まる中、アストンマーティンはさらにミディアムタイヤ2セット目を投入して走行を開始したものの、コース上にはシンガポール名物のオオトカゲが登場。マーシャルが安全な場所へエスコートするために赤旗が振られた。
中断を経てセッションは残り48分で再開。ユーズドのミディアムタイヤを履くアストンマーティン以外のチームも続々と走行を始めた。ほとんどのチームがミディアムタイヤを使用する中、キック・ザウバーやウイリアムズのフランコ・コラピントはソフトタイヤを使用した。
序盤のタイム計測では、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが暫定トップに立ち、チームメイトのセルジオ・ペレスも上位に名を連ねた。初日は苦しんでいたレッドブルだったが、フェルスタッペンもマシンの感覚は良くなっていると無線で報告した。
初日から好調ぶりを見せたマクラーレンやフェラーリに加え、メルセデスも僅かなタイム差の中に並んだ。
フェラーリのシャルル・ルクレールは8周使用したミディアムタイヤで1分31秒525をマークして、フェルスタッペンの上に。チームメイトのカルロス・サインツJr.も、10周を走ったミディアムタイヤで2番手に続いた。
セッション折り返しを過ぎると多くのドライバーがピットイン。残り20分を切る前に、ソフトタイヤに履き替えて予選想定ランを実施するドライバーが徐々に増え始めた。
ここでメルセデスのジョージ・ラッセルはまず1分30秒125をマークしてトップタイムを更新。マクラーレンのランド・ノリスが記録したFP2トップタイムを上回る格好となった。
少し遅れてソフトタイヤを履いたノリスは、1分29秒646までタイムを引き上げてトップに浮上。FP3では予選想定をまだ行なっていなかったフェラーリや中団グループのドライバーもセッション終盤にアタックを実施し、1時間のセッションは終了した。
最終的にノリスがFP3最速。2番手となったラッセルに0.497秒という大差をつけた。3番手につけたマクラーレンのオスカー・ピアストリは、ノリスから0.785秒差とトップ3は大きな開きがあった。
フェルスタッペンが4番手。レッドブルは復調傾向にあるとも考えられるが、ペレスが最終的に15番手に沈んだというのは気になるところだ。また初日好調だったフェラーリは5〜6番手と、ソフトタイヤのグリップ不足に悩まされている様子だった。
7番手につけたメルセデスのルイス・ハミルトン以下、ウイリアムズの2台、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソというトップ10の並びだった。
角田は1分31秒114で11番手。トップのノリスからは1.468秒差だが、4番手以下は比較的接近しており、今後コンディションは変化してくるものの、予選でも上位グリッドが狙えるかもしれないという期待をのぞかせた。