マリーナベイ市街地サーキットで開催されているF1第18戦シンガポールGP。9月21日(土)の予選では、マクラーレンのランド・ノリスがポールポジションを獲得した。RBの角田裕毅は9番手だった。
開催2日目もシンガポールは再び夜を迎え、決勝グリッドを決める予選の時刻がやってきた。
この前に行なわれたフリー走行3回目からシンガポールは表情を変え、サーキットは煌々とLEDライトに照らされた。ただ気温29度や路面温度32度、湿度79%とコンディションは大きく変わらず蒸し暑いままだった。
■ノリス余裕のトップ通過|Q1
トップ15を決める18分間のQ1。早々に最初のタイム計測を行なったノリスがまず1分30秒724を記録してトップに立った。
少し遅れてタイム計測を行なったレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ノリスに0.130秒届かず2番手。その後1セット目のタイヤで複数回アタックを実施したフェラーリのシャルル・ルクレールに上回られて、3番手に後退した。なお全車が1回目のタイム計測を行なった時点で角田は10番手につけていた。
マクラーレン勢はユーズドタイヤのまま2回目のタイム計測を実施。ノリスはそれでも1分30秒002までタイムを改善してトップを維持し、チームメイトのオスカー・ピアストリも2番手タイムを記録してピットへ戻った。
ただ、市街地サーキットという特性上、路面の改善幅は大きく、基本的にはタイミングを遅らせてアタックを行なった方が比較的タイムの伸びが良いという傾向。マクラーレンを除き、Q1終盤では上位のドライバーも2セット目の新品ソフトタイヤを投入していた。
生き残りを目指し、各車がQ1最終盤にかけてアタック。タイムシートが目まぐるしく入れ替わったが、フェルスタッペンはマクラーレン勢に割って入る2番手止まり。ノリスがユーズドタイヤで記録したタイムでQ1トップ通過を果たした。
角田は10番手でQ2へ駒を進めた一方で、チームメイトのダニエル・リカルドはトップ15に0.127秒届かず16番手でQ1敗退。その他、アストンマーティンのランス・ストロールやアルピーヌのピエール・ガスリー、キック・ザウバーの2台が姿を消した。
■角田、殊勝のトップ10入り|Q2
トップ10入りを決める15分間のQ2が開始されると、レッドブルの2台からコースイン。Q2最初のタイム計測を実施した。
まずはユーズドタイヤを履くフェルスタッペンがアタックを完了。ただ最終コーナーで大きくはみ出していたことからタイム抹消となった。
マクラーレン勢はQ1を1セットで通過していることもあり、新品タイヤを最初から投入。ノリスが1分30秒007でトップに立ち、ルクレールが2番手、ピアストリが3番手に続いた。角田は5番手だった。
メルセデスはタイミングをずらしてタイム計測を行なう戦略。路面が改善し、比較的空いたコースでアタックを実施し、ルイス・ハミルトンが1分29秒929でトップに躍り出た。チームメイトのジョージ・ラッセルも3番手に浮上した。
この時点でノータイムのフェルスタッペンは、アクシデントでタイム計測ができずQ2落ちを喫するリスクを回避するため、新品タイヤを履いて一足早くコースイン。1分29秒680をマークしてトップに躍り出た。
残る14台もコースに姿を現した。ラッセルが新品タイヤでのアタック時に違和感を覚えたことが関係しているのか、ここでメルセデス勢はユーズドタイヤを使用した。
最終アタックでは、まずピアストリが1分29秒640でフェルスタッペンを上回りトップ浮上。ノリスはアタックを中断し、このタイムを越えるドライバーは現れずピアストリがQ2トップ通過となった。
Q3にはマクラーレン、フェラーリ、メルセデスの3チームが2台揃って進出。その他、フェルスタッペンやハースのニコ・ヒュルケンベルグ、角田、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソがQ2を突破した。
ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、10番手のアロンソまで0.024秒届かず。チームメイトのフランコ・コラピントも12番手と、ウイリアムズはQ2で姿を消した。
またペレスは13番手でQ3進出ならず。前戦アゼルバイジャンGPで復調の兆しを見せたものの、またしても厳しい予選結果となった。Q2ではその他、ハースのケビン・マグヌッセンとアルピーヌのエステバン・オコンが敗退となった。
■ノリスがポールポジション獲得|Q3
ポールポジションを決める12分間のQ3。最初のタイム計測では、新品ソフトタイヤが1セットしかないヒュルケンベルグ、角田、アロンソがユーズドタイヤを使用し、2セットを手元に残すその他のドライバーは新品タイヤを履いた。
各車がQ3最初のアタックへ向けて動く中、1分30秒037を記録したピアストリがまずはトップに立った。その直後、サインツJr.が計測へ入る直前の最終コーナーでクラッシュを喫した。マシンはリヤが大きく破損し、サインツJr.はうつむきながらマシンを後にした。
アクシデントにより、Q3は8分を残して赤旗中断。フェルスタッペンはターン14でダブルイエローが提示されている際にタイムを更新したとして、1分29秒791というトップタイムが幻となった。
15分程度の中断を経て、9台が残り4分というところから最終アタックに向けて続々とコースイン。先頭はマクラーレンで、隊列の最後尾は角田だ。
1周の全力アタックで、ピアストリはまず1分29秒953をマーク。しかし続くノリスが1分29秒525でそれを上回った。
フェルスタッペンはノリスに0.203秒届かず2番手。最終的にトップタイムを更新するドライバーは現れず、ノリスがキャリア6回目のポールポジションを獲得した。
ハミルトンはノリスから0.316秒差の3番手に食い込み、ラッセルも4番手につけたことでメルセデスが決勝2列目を占めた。
5番手ピアストリ以下は、ヒュルケンベルグ、アロンソ、角田という並び。マクラーレンのライバル筆頭とも目されたルクレールは、ターン2でのトラックリミット違反により1分30秒119がタイム抹消となり9番手に沈んだが、違反がなかったとしても7番手と苦しんだ。
角田は1分30秒354で8番手。Q2通過タイムを上回ることができなかったものの、今季8回目のポイント獲得に向けて、入賞圏内から決勝をスタートすることができる。