〈オウム真理教は死なず〉公安調査庁がSNSで異例の注意喚起…担当者が語るその理由「当時を知らない若者たちがオウム真理教のターゲットに…依然として麻原彰晃の影響下にある」

公安調査庁が注意喚起を続ける理由

「これらの団体は『功徳を積むため』として、継続的な布施を推奨したり、集中セミナーなどへの参加を促し、参加費を徴収したりしていました。ただAlephは現在、公安審査委員会がくだした再発防止処分により、金銭の受贈与(布施など)が禁止されたほか、在家の構成員の指導を行なう道場が使用禁止となったことで、これまで年末年始・GW・夏期など定期的に開催していた集中セミナーなどを開催できない状況にあります」

Alephの収益事業において、多額の収入を上げていたのは、在家の構成員による布施や年末年始・GW・秋期など定期的に開催していた集中セミナーの参加費(年間で最大1億円ほどの収入)等によるものだった。しかしこの処分により、金品その他財産上の利益の受贈与が禁止されたほか、在家の構成員の指導を行う道場が使用禁止となったことから、これらによる収入は大幅に減少している。

 さらに当該団体は、新規構成員を獲得する一方で、組織から離脱する者も同程度おり、全体の構成員数は、近年、大きな変化は見られないという。

活動がかなり制限され、勢力を増すこともできていないならば、改めて世間に呼びかける意図とはなんだったのか。

「当該団体は依然として麻原の影響下にあり、現在も無差別大量殺人行為に及んだ当時の危険な体質を有していることから、活動が活発化することが懸念されるため、組織拡大に向けた勧誘活動の実態について注視しています。

いわゆるオウム真理教は、現在においても、観察処分を課されている団体であり、公安調査庁では入庁した職員全員に対し、庁内研修等でカリキュラムを設けるなど、関連業務の重要性を周知徹底しております。今後も、オウム真理教が過去に引き起こした事件の風化防止を目的とした積極的な広報を実施していく所存です。また、団体に対しては、引き続き、当該団体に対する観察処分を適正かつ厳格に実施していきます」

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部