フェラーリ、まさかのQ3大失敗。ルクレール落胆、フロントタイヤのウォームアップに問題?

 フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1シンガポールGPの予選最後のアタックで、タイヤのウォームアップが十分にできていれば、2番グリッドを獲得できたと考えている。

 予選前のFP3では、ルクレールが5番手、カルロス・サインツJr.が6番手と好調だった金曜日から一歩後退したようにも見えたフェラーリ。しかしルクレールは気温が下がったことで自分たちに有利に働くと、むしろ自信を深めていたという。

 しかし予選Q3ではサインツJr.が最初のアタックに入ろうとしたタイミングでクラッシュ。赤旗後のアタックで、ルクレールは1分1分30秒119を記録するのがやっとだった。

 暫定7番手でアタックを終えたルクレールだったが、トラックリミット違反によりタイム抹消に。フェラーリの2台は、ノータイムで予選Q3を終えることになってしまった。

 ルクレールは、ラストアタック前にフロントタイヤが冷えすぎてしまい、ポールシッターのランド・ノリス(マクラーレン)とフロントロウのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に挑むのに必要なグリップを失ってしまったと振り返った。

「FP3がうまくいかなかった後、Q1とQ2がうまくいっていたので、ちょっと期待していたんだ」とルクレールは明かした。

「モナコと同じくらい重要だとわかっている予選の1ラップのために、週末を通してたくさんの準備をしてきた。その結果、僕たちの週末はすべて悪い方向に向かってしまった」

「正確な問題が何だったのかはまだわからないが、フロントタイヤが2本とも冷えた状態でラップをスタートし、ターン1でロックしてしまった。フロントのグリップが思うように得られなかった」

「(FP3の時点でも)予選では強いと予想していた。Q1とQ2では、良いペースで走れることが確認できた。でも、Q3のタイヤ温度の問題ですべてを台無しにしてしまった。それを調査しなければならない」

 ピットを出たとき、ルクレールはレースエンジニアのブライアン・ボッツィからフロントタイヤの温度が「わずかに低い」と告げられた。

 アタックの序盤、ターン2の縁石に乗り上げ、最終的にラップタイムが抹消されたルクレールは、アタックに入る時「フロントタイヤがマイナス10」だったという。その数字がステアリングホイールに表示された理想的な温度との差なのかについて、ルクレールは説明を避けた。

「数字の詳細を説明するつもりはない。それは正しくない数値だからね」

「だけど僕たちは1度や2度の違いだったのか、完全に間違っていたのかについて話しているのは明らかだ」

「やるべきことは何もなかった。良い位置にいたし、競争力もあった。僕は良い仕事ができていると思っていたんだ。でも、アウトラップで何が起こったのかわからない。ピットを出たあの瞬間から、すべてがおかしくなってしまったからね」

 温度の問題がなければ、どんな結果が望めたかと聞かれ、ルクレールは「多分2番手」と答えた。

 一方、フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールはルクレールの見解に異議を唱えた。ルクレールはピットレーンで各車がゆっくりとコースインしていったタイミングでタイヤの温度を失ってしまったものの、問題なくタイヤを温められたとバスール代表は考えているのだ。

「これについてはシャルルと議論しなければならない」

 そうバスール代表は語った。

「彼は適切な温度でラップに入ったと思うからだ」

「でも(赤旗再開後)誰も最初にアタックをしたがらず、みんなが少しピットレーンやガレージで待っていた。我々はこの段階でタイヤの温度を少し失ってしまった」

「でも彼は少しプッシュして、アタックが始まる前に正しいターゲット(の温度)まで戻ってきていたんだ」