MotoGPエミリア・ロマーニャGPの予選で、マルク・マルケス(グレシーニ)は転倒し上位グリッド獲得のチャンスを逃してしまった。転倒が今年も多いマルケスだが、彼はそのことを心配はしていないという。
マルケスはQ2の前半に一度タイムを記録した後、ターン3で転倒。幸い怪我などはなく急いでピットに戻りスペアマシンでのアタックを続行することができた。
しかしスペアマシンも既にFP2でクラッシュした際のマシンであり、その後の予選Q2の走りもリズムを欠いているのか、Q2前半で記録した自己ベストを超えることができず7番手に留まった。
マルケスは前戦サンマリノGPでも同じように予選で転倒があり、上位グリッドを獲得するチャンスを逃してしまっている。今年ホンダからドゥカティのマシンへスイッチしたマルケスは転倒がかなり多くなっているが、彼はこれも学習過程だとして受け入れていると語った。
予選で何度も転倒している理由を尋ねられたマルケスは「人生はそういうものだからだ。試してみて失敗して、また試して失敗する」と答えた。
「この問題は、学ぶため(に必要なこと)なんだ。僕らは何百万人もの人々の前で物事を試しているわけだけど、受け入れる必要がある。僕はトライし続けるよ」
「快適には感じていないけど、それが何故なのかを理解する必要があるんだ。僕が十分に(タイヤへ)負荷をかけられていないのか、それとも負荷をかけすぎているのか、そういった具合にね」
「予選中のターン3での転倒は僕としても残念だった。レースでも危ない瞬間があったんだ」
「僕の人生は常にこんな感じで、トライし続けている。勝利の自信があるし、インドネシアでもトライしていくつもりだ。僕は再びグラベルの上で走行を終えることになるかもしれないけど、どうなるか見てみよう。でも将来に向けて改善できればと思っているよ」
またマルケスは新品タイヤでのバイクの挙動が快適ではないと説明していて、それが予選よりもレースで強さを発揮している理由なのだという。
「僕はシーズンを通じて、新品タイヤで快適に感じられていないんだ。6~7周したときに、僕はいくつかのコーナーで新品タイヤよりも速くなっている。だからその点の理解を深め、試していかないといけない」
「今回のグランプリでは、自分のライディングスタイルを理解するために電子制御面の小さな事も試し始めた。だけどキャリアを通じて慣れていなかったリヤの素晴らしいグリップを快適に感じられていないのは事実だ」
「僕のキャリアを通じて慣れていたタイムアタックのやり方やコンセプトとは全く異なるコンセプトなんだ。だから、そこを変えるのが最も難しい点だ」
マルケスは7番手からスタートしたスプリントレースでは、1周目に順位を上げて、そのまま4位でフィニッシュしている。
表彰台には一歩届かない結果だったが、マルケスはホンダ時代終盤には5位も望めない状態だったため、ドゥカティ陣営に移り競争力が大きく増した今は、新しいことに挑戦する意欲が高まっているのだという。
「自分はレースに勝てる、トップを争えるんだという事実は、物事にトライしていくための自信を更に与えてくれるのは確かだ」
「以前は、新しいことを試しても決して(トップには)辿り着けないと感じると、挑むことも少なくなっていた。でも今は、必要なときに挑戦しているんだ」
「予選はまさにトライする必要があるセッションだ。今日も最初にラップタイムを出しておいて、そこからもう少しプッシュしていたんだ。昨日(エミリア・ロマーニャGP初日)のラップタイムなら、3番手だったのは分かっている」
「僕の唯一のミスはFP2(での転倒)だった。でも予選の失敗はそういうものさ」