【全日本】綾部が王道T制覇 全日本でのシングル初栄冠、10・22後楽園で三冠挑戦へ

『第11回王道トーナメント』後楽園ホール(2024年9月22日)
決勝戦 ○綾部蓮vs本田竜輝×

 綾部が本田との激闘を制し、王道トーナメント初優勝。全日本における初のシングル栄冠を手にし、10・22後楽園大会での三冠ヘビー級王座挑戦が決定的となった。

 3年連続3度目の出場となった綾部は1回戦で前三冠王者・安齊、2回戦でスミスを撃破。この日、準決勝では世界タッグ王者・レイを破って初の決勝進出を果たした。相手は準決勝で宮原に勝利した昨年準優勝者・本田。新世代対決は決勝戦にふさわしい激闘を繰り広げた。

 先手を取ったのは本田。エプロンでのジャーマンを敢行して綾部をリングアウト寸前に追い込む。リングに戻っても串刺し延髄ラリアットを叩き込み、綾部がジャーマンで投げてもジャーマンで応戦。フロントハイキックを食らってもラリアットを叩き込んだ。

 綾部もアイアンメイデンで絞め上げたが、本田コールの大合唱に応えて耐えた本田は電光石火のファイナルベントで大逆襲。ダメージが尾を引いてカバーが遅れたものの、ラリアット連打で追い討ち。再びファイナルベントで勝負に出ようとした。

 これは綾部が不時着。ドロップキック、フルネルソンバスター、ドラゴンスープレックスで一気に逆転した。本田もデスルーレットを食い止め、ジャーマンで食い下がったが、綾部はすぐさまドラゴンで応戦。動きが止まった本田にデスルーレットを爆発させて3カウントを奪った。

 勝負タイムは24分39秒。20代の二人が激闘を繰り広げた王道トーナメント決勝戦は綾部に凱歌が上がった。全日本参戦から3年、そして今年4月の入団から5ヵ月。綾部が全日本のシングル栄冠を初めて手にした。

 「王道トーナメント本当に、本当に楽しすぎた。最後、決勝戦、同じELPIDAの本田竜輝と戦えて、そして優勝できて最高だった。本田竜輝、ありがとう」と盟友・本田に感謝した綾部は当然、その先を見据えている。「さて、この王道トーナメント中に俺は言ったよな。王道トーナメントの頂に立つと。宣言通り、王道トーナメントの頂に立った。確かに最高だ。ただ、王道トーナメントを獲って、次に獲りにいかなければならないものがあるよな」と実況席にいた三冠王者・青柳勇馬をリングに呼び込み、「今年の王道トーナメント優勝したのはこの俺、綾部蓮だ。次、ノーとはいわせねえ。その三冠ヘビー級のベルトに挑戦…いや、王道トーナメント覇者として、そのベルトを俺に寄越せ」と迫った。

 受諾した青柳が舞台を指定したことで、10・22後楽園大会で綾部の三冠初挑戦が決定的となった。この勢いそのままに至宝ベルト初戴冠に挑む綾部は「今後もこの全日本プロレスの未来はずっと明るいぞ。なぜなら、なぜなら、この俺、綾部蓮がいるからだ」と豪語して綾部コールを浴び、「王道トーナメントの頂に立ち、次に三冠のベルトを獲る。すなわち、全日本プロレスの遥か高き頂きに立つのはこの俺、綾部蓮だ」と予告してみせた。

【綾部の話】「王道トーナメント初優勝だ。本当にずっとずっと楽しみで仕方なかったこの王道トーナメント、期待通り…いや、期待以上に楽しすぎた。こんなに楽しいものがあっていいのか、全日本プロレス。最高の気分だ。終わってしまった寂しさもあるけど、このトロフィーを最後に手にすることができた。最高の気分だよ。そして、決勝の相手、本田竜輝とやれて、勝って優勝できたというのも、個人的に本当によりこの優勝が最高のものになった理由の1つだと思ってる。本田竜輝、ありがとう。そして、リング上で言った通りだ。青柳勇馬の持つ三冠ヘビー級のベルト、来月10月22日、後楽園ホール、ほぼ決定と見ていいんだよな、あれは。綾部蓮、三冠初挑戦ではあるけれど、この王道トーナメント覇者として、青柳勇馬のベルトをもぎ取りにいくんだ。青柳勇馬が8年連続で1回戦で負けてる王道トーナメント優勝者なんだ。上から来られる覚えはないね。堂々といって、真の意味で頂に立つ。まだまだ綾部蓮は強くなっている途中なんで。少し目を離したスキにとんでもないところに行ってしまうという。それが綾部蓮だ。来月10月22日、このトロフィーに続き、三冠のベルトを腰に巻く。全日本プロレスはこの綾部蓮に任せておけ」