スキー・スノーボードになくてはならないグローブ。板やブーツのハードギアほど存在感はないけれど、実はその重要性はすごぶる大きい。手が冷たければ楽しさは半減してしまう……そんな経験をした人は少なくないだろう。これまでグローブ選びやグローブの取扱いにあまり気を遣わずにいた人は、せっかくの楽しい雪山でちょっぴり損をしていたかもしれない。’24₋25シーズン、より快適に滑りを楽しみ、雪山時間を充実させるために、グローブについて理解を深めてみよう。
そもそもグローブはなぜつける?
スキー・スノーボードをする際にグローブをつけるのはどうしてか? それはズバリこのためだ。
1.手の保温
2.手の保護
手の保温とは当然ながら雪山での寒さから手を守るため。手が冷えすぎてしまうと手指が動かせなくなり、ポール操作やブーツのバックル、ジッパーの扱い、ゴーグルの装着など、不便になるだけでなく、過酷な状況下では凍傷にかかってしまうこともある。十分に温かくして、なめらかに手が動かせるようにしておきたい。
そして雪山ではいろいろな手が傷みかねない状況もある。ツリーの中を滑っていて木にぶつかってしまった、スノーボードで転倒してザラメ雪で手を擦ってしまった、ビンディングの脱着で切ってしまったなど等。手に傷を負わないために保護をする必要がある。
スノーグローブに必要な要素
雪山での手の保温と手の保護を実現するために、グローブには以下のような要素が求められる。手を保護するためには外からの衝撃に対して丈夫であること、つまり表面素材に耐久性が必要だ。そして手を冷やさないためには、グローブの構造が温かさを保てる造りになっていること、中綿そのものが保温性が高い、中に外部からの濡れた水分が浸透しない耐水性を持つ素材も入っているのが好ましい。
そして忘れてはならないのが「動かしやすさ」だ。手指が思うように動かしやすいか、はグローブのパーツのカッティングと縫製に大きなポイントがある。パーツの組み合わさり具合によって質感がゴワゴワと硬くなり手指が動かしづらくなったり、指の微細運動をするのに縫い目の凸凹がストレスになったりもするからだ。
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グローブの作り方
グローブを作る工程は、まず手のサイズを測るというプロセスから始まる。
以下はHESTRA社による手の採寸の仕方。手のひらの横幅を測るのだ。HESTRAの原産国スウェーデンやヨーロッパ諸国ではグローブのサイズは横幅で測るのだが、バイクのグローブなどを製造している日本の企業では、手の中指のてっぺんから手首までを測るのがスタンダードなのだという。言語や人間関係もとかく縦の日本と、横文化の西洋の違いは、意外なところにも反映されているのかもしれない。