年パス勢の現在は……
年パスとは、一部の除外日を除き、有効期限1年で好きなタイミングに入園できる定期券のようなもの。2020年に廃止され、ファンの間ではいまだに議論が交わされているが、これは「経営判断としては正しかった」とファンは指摘する。
「年パス廃止後、オリエンタルランドが過去最高益を出しているのが答えですよ。年パス勢ってレストランだけ来たりグッズだけ買ったり、園内を散歩する人とかもいるんですけど、じゃあその人がどれくらい売上に貢献しているかっていうと……。レストランだけ来たって1食2~3000円くらいだし。それなら年に1回しか来ないけどグッズを買ったりする人のほうがお金を落としています。
もともと年パス勢って、パレードで早くから最前の席取りしてずっと待機するような人もいたんですよね。でも、そうすると家族連れは後ろでしか見られないとかあまり楽しめないし、それで次に来るのが数年先になったりしたら、オリエンタルランドとしては顧客を逃すわけです」(30代女性・飲食業)
とはいえ、気軽に入れた年間パスポートの廃止は、利用者にとってさぞ残念だったことだろう。しかし意外にも、こうしたファンは廃止に伴う別の楽しみ方を確立しているのだという。
「年パス廃止で行きづらくなった人の楽しみ方として、周辺の施設を利用するっていうのがあります。隣にあるイクスピアリだけでも雰囲気はあるし、ショップのボン・ヴォヤージュとかは入園しなくても買い物できるので。
パーク周辺を走るディズニーリゾートラインに1日700円のフリーきっぷで乗って景色を楽しんだり、途中下車したりするのもいいですよ。内装がミッキーモチーフになっていたりBGMもディズニーで、アナウンスがキャラクターだったりとか乗ってるだけでも楽しいんですよね。やっぱり、ゲストをおもてなしすることには本当に手を抜きませんから。
あとは園外のホテルで楽しむ人もいて、レストランに行ったりラウンジでアフタヌーンティーやお茶をしたりとか。たとえば、今だとハロウィーン限定のアフタヌーンティーもありますね」(同前)
制度の変更があれば、それに合わせて違った楽しみ方を開拓する……。どこか“強がり”にも聞こえるが、ディズニーというコンテンツを心から愛好する“ガチ勢”にとって、値上げや年パス廃止はそれほど大きな問題ではないようだ。こうしたファンに支えられている間は、東京ディズニーリゾートも安泰かもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班