〈倍速老化の恐怖〉痛みがまったくないのに体の中は地獄絵図…急に老け込む人に見られがちな6つの病態、その真犯人とは

一定の確率でミスコピーも

【がん】
がんは遺伝子に傷がつき、私たちの体内で日々起きている細胞分裂の際に「ミスコピー」が生じることで起こる病気です。では、なぜ遺伝子に傷がつくのでしょうか。遺伝的要因もありますが、その割合は、がん患者全体のわずか5%程度と言われています。となると、残りの大半はいったい何が原因なのか。

それが、免疫暴走なのです。

というのも攻撃免疫の戦場では、つねに破壊兵器である活性酸素などがあふれており、正常な細胞にまで傷がつくことも多々あるからです。細胞が元気なうちは制御免疫とともに破壊と再生を繰り返すわけですが、同じ部位で集中的に何度も破壊と再生を繰り返していると、遺伝子が傷つきやすくなります。

そうすると何度もコピーしているうちに、一定の確率でミスコピーが起きてしまうのです。さらに、炎症性サイトカインが遺伝子の変異を誘導している可能性もあると言われています。

つまり、何かしらのトラブルを長期間抱えた部位ほど、がん化してしまいやすいということですね。B型・C型肝炎ウイルスの感染から発症する肝臓がんや、ピロリ菌感染から発症する胃がんなどがこの典型で、一度これらのウイルスや菌に感染すると一生体内に残ります。

そのため、本人も気づかないうちに感染したままとなった肝臓や胃で免疫暴走が起こり、破壊と再生を集中的に繰り返すうちに、がん化してしまうことがあるのです。

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倍速老化(サンマーク出版)

飯沼一茂

2024年9月20日発売1,540円(税込)240ページISBN: 978-4763141316

いまなら、まだ間に合う。進みすぎた時を戻そう

しっかり睡眠時間を確保したのに疲れが取れない。
体があちこち痛む。
これまでになかった病気や不調に悩まされている。
ふと鏡を見たら驚くほど老け込んだ自分がいた……。
どれか一つでも心当たりのある方は、
体の内側で通常の老化とは違った形で
激しく急速に老化が進行しているリスクがあります。

その秘密は、免疫にあり。

今後、医学の主役となる
免疫の最新知見が、
急速に老いた体を若返らせ
病気や痛みを遠ざけます。

【目次より】
Introduction 体内で静かに進行する倍速老化とは
Chapter1 免疫の攻撃役と制御役に生かされる人体
Chapter2 倍速老化はこうして起こる
Chapter3 倍速老化をいますぐ止めるために
Chapter4 医師でないからこそ語れる医学の課題
Chapter5 倍速老化を巻き戻す最新医学