「まだ日本は同性カップルが子育てしづらい」レズビアンカップルYouTuberが直面した妊活、出産の現実「ドナー探しは100人近くの男性とやりとり」それでも噛みしめる幸せ「子どもはあと3人ほしい」

 一番苦労したのはドナー探し「『授かるまで性行為をする』と勘違いしている方も…」

――妊活から出産に至るまでで、一番苦労したのは?

ぽっち  やっぱり、ドナーのお相手に出会うまでが本当に大変でしたね。考えがマッチして、きちんと話し合いができる現在のお相手に出会うまで、メッセージだけで100人近くとやりとりしました。なかには「授かるまで性行為をする」と勘違いしている方までいましたからね。相性のいいお相手を探し出すのは、すべての同性カップルが苦労することだと思います。

みち子  そういうやりとりは、ぽっちがすごく熱心にやってくれたから助かりましたね。「この人だ!」となってから実際にお会いして、食事に行って、交流を重ねるときなどは、もちろん私も行きましたが。

――ドナーには何かお礼をするものなのでしょうか?

ぽっち  私たちは月1〜2回のペースで会っていましたが、渡していたのは交通費のみで、お会いした時にお食事をご馳走していました。お相手もボランティア精神に少し近いような意思があって協力してくれているのですが、時間も労力もかけてもらっているので、そこは彼にも納得してもらったうえでお礼させていただいています。

――子どもとの日々はいかがですか?

みち子  もうほんと、「生まれてきてくれてありがとう」って、毎日幸せを噛みしめています。子育てに関しては、毎日のようにぽっちのご両親や私の母親がヘルプに来てくれています。退院してからは、ぽっちが毎日ご飯を作ってくれて、私が体調を崩しているときはたくさん労ってくれるし……みんなに感謝しながら幸せを感じていますね。

ぽっち  夜中のミルクも、私とみち子で交互に3時間おきにあげたり……寝不足のときもあるけど、それ以上に幸せを感じています。毎日、みち子と「なんて幸せなんだろう」って話していますよ。

――今後子どもが成長するにつれて、母が2人いることについて不思議がったり、質問してきたりしたら、なんと答えますか?

ぽっち  私たちは父親の存在を隠すつもりはないので「パパは一緒に生活してないだけで、ちゃんといるんだよ。会いたいときに会えるよ」と言います。「ママとパパがいる家族もいれば、ママだけの家族や、パパだけの家族もある。うちの場合は、ママが2人いるんだよ」って、そのまま説明しますね。

みち子  意外と子どものほうが寛容な場合もあるよね。

ぽっち  そうそう。それに、みち子の体調が落ち着いたら、私は妊活を再開しようと思っています。私は3人きょうだいだったので、少なくとも子どもは3人ほしい。できれば4人ほしいと思っています。

みち子  あ、4人なんだ。それは初めて聞いたわ(笑)。ぽっちがそう言うなら、そうしよう。ぽっちの願いが、私の願いだから。

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2人のYouTube動画には下品な話が一切なく、和気あいあいと会話している様子に共感が生まれ、根強いファンがついているようだ。インタビュー後編では、2人の馴れ初めや今後の目標などを聞いた。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班