マルク・マルケス(グレシーニ)はMotoGPエミリア・ロマーニャGP決勝で勝利したエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)について、終盤の行動でペナルティを受けるべきだと考えを述べた。
エミリア・ロマーニャGPの決勝はホルヘ・マルティン(プラマック)とバスティアニーニが優勝争いを展開して、マルティンが先頭で最終ラップを迎えていた。
バスティアニーニは最終ラップに追い抜きを狙い、ターン4でイン側にマシンをねじ込むと、マルティンと接触。マルティンはマシンを起こして転倒を避けたが、ランオフエリアへと追いやられてしまった。
バスティアニーニ自身もかなりワイドに膨らんでいて、コーナー出口では白線を越えてしまっていた。なおレースはこの動きが決め手となりバスティアニーニが勝利しているが、一連の動きが審議対象になることはなかった。
彼らの後ろで3位表彰台を獲得したマルケスは、スチュワードがバスティアニーニにペナルティを与えなかったことに同意できていないと語っている。
「リプレイ映像は見たよ。僕としては、エネアもコースをはみ出ていたのなら、(ペナルティで)1ポジションダウンになると思う」
マルケスはそう語る。
「アグレッシブなオーバーテイクをしても、コースに留まっているのなら問題はないからね。でもコース外に出てしまったのなら、それは“1ポジションダウン”を意味している」
「(審議もしない)その決定に、僕は同意することはできない」
なおマルケスはバスティアニーニがターン4で追い抜きを仕掛けた動き自体はクリーンな物だと考えている。あくまでも白線を越えていたことを彼は問題視している。
「あのオーバーテイクだけど、僕は問題無いと思っている。オーバーテイクするには、唯一の方法だった」
接触含みの追い抜きでかなり多くの議論を引き起こしてきたマルケスは、今回の追い抜きシーンをそう評した。
「彼がオーバーテイクしたとき、全てが問題なかった。ただ、コーナーから飛び出してしまっただけだ。クエスチョンマークが出ているのはそこなんだ」
「コース内に留まることができていなかったのなら、ポジションをひとつ落とす必要が出てくる。だけど彼が同じようなオーバーテイクを仕掛けても縁石までで留まっていたのなら、僕としては問題がない。それがこうしたバイクでオーバーテイクするための唯一の方法であって、オーバーテイクはクリーンなものだったからだ」
「(バスティアニーニの動きは)アグレッシブだったし、限界に来ていた。でも最終ラップのオーバーテイクなんだ」
「今年はアッセンで僕もエネアに追い抜かれた。僕はコースアウトしてしまったけど、彼はコース内に留まっていたから、僕は何も言わなかったんだ」
「僕にとっては問題なかったし、それもレースの一部だ。でもオーバーテイクを狙うのなら、常にコース内に留まる必要がある。それが僕の考えだ」