見た目、性格、家庭環境、学歴、出自、性など異なるコンプレックスを抱えた6人がスカウトによって集められ結成された新感覚のボーイズグループODDLORE(ヨミ:オッドロア)が9月21日に池袋Club Mixaにて「ODDLORE Last Live」を開催。この公演をもってグループ活動終了となった彼らが最後にして最高を目指したラストライブは、彼らの活動の集大成として大成功を収め、〝コンプレックスですら最高の自分自身〟という唯一無二のメッセージを全身全霊で届け抜いた。
「ODDLORE Last Live」は彼らがメジャーデビュー後に初ステージを踏んだメモリアルな会場、池袋Club Mixaにて開催。6月のグループ解散発表後、約3か月ぶりのライブ公演となることもあり、開演前の会場フロアは熱気とともに、オーディエンスの緊張感も溢れかえっていた。
ODDLOREの歴代楽曲すべての披露が事前にアナウンスされていたラストライブは、ライブ公演だけでそのアクトを観ることができる「-Under Test- Dance Performance」からスタート。彼らの初ライブステージとなった2022年9月24日「ODDLORE FREE LIVE -Under Test 01-」でも1番手を担った同パフォーマンスだが、そこから約2年の時を経て、グループの圧倒的な成長を初っ端からオーディエンスに見せつけていく。
続いて、ODDLOREの2ndデビュー曲であり、彼らのアンセムソングのひとつとなっている「Lucid Dream」へ。メンバー6人それぞれの持ち味が光るヴァース、そして、独特でパワフルなコレオが印象的な同曲に煽動され、会場に溢れていた緊張感は一変。たちまちオーディエンスの熱気でフロアが埋め尽くされた。
序盤にして早くもボルテージのあがった会場に流れた3曲目のイントロは、RIKITOにフォーカスした「where I belong」。メンバー内で屈指のボーカルスキルを誇るRIKITOの伸びのある声により、フロアの雰囲気はまたがらりと姿を変え、その心地よいリズムにオーディエンスは身をゆだねていく。
MCパートに続きパフォームされたのは1stデビュー曲の「Hazed Reality」。異なるコンプレックスを抱えた6人が自身に葛藤する姿が描かれ、デビュー曲とは思えない内省的な表現が特徴的な彼らのはじまりでもある同曲のアクトに会場が息を飲むなか、その空気を受け継ぐかのように披露されたのは、KOYAにフォーカスした「The Revelation」。ODDLOREで唯一、スタンドマイクを巧みにパフォーマンスに取り入れたこの曲は、情緒豊かに、そして訴えかけるようなKOYAのラップで畳みかけ、締めくくられていく。
そしてステージは、繊細さの中に中性的な凛々しさが混在するYUIのソロボーカルから「ORTUS」へ。YUIにフォーカスしながら、ドラマティックで、まるで歌劇を観るかのような世界観が展開された。そして「ORTUS」からバトンを受け継いだRYUICHIROフォーカスの「BRIGHT SIDE」では、会場がまた新しい表情を見せる。ODDLOREでははじめてオーディエンス参加型の振付が取り入れられたこの曲で、ODDLOREとオーディエンスが一体となってその振付がコミュニケーションのようにかわされ、あたたかささえも生み出す空間が広がったことは、ODDLOREの楽曲バリエーションの多彩さゆえだろう。
MCパートを挟んだあと、RIONにフォーカスした「SKIN DEEP」でライブは中盤に突入。スウィング・ジャズやダンスホールなど様々なテイストを基調とした同曲は、RIONによる華やかなボーカル&ダンスによって彩られた。続いて、特有な6人のフォーメーションから繰り出されたのは「Embers」。抱えるコンプレックスですら自分らしさであり自分自身であることを受け入れていく、ODDLOREの新たなフェーズの幕開けとなった同曲の、詩的なリリックと奥行きあるトラックを歌とダンスで語り尽くしたあとは、数々のステージで披露されてきたキラーチューンであり、メンバーJOSHにフォーカスした「HOLLOW」へ。JOSHの咆哮にも似た終盤のたたみかけや、全身を使った鬼気迫るダンスにつられるかのように、オーディエンスの感情も揺さぶられていく。
衣裳をチェンジし、再びステージにあがった6人が次に届けたのは、彼らがコレオのプロデュースに挑戦をした、「ODDLORE CYPHER」【DANCE】。RYUICHROのマイクパフォーマンスから6人のダンスサイファーで余すことなく爆発させ、それに応えるかのように会場からは次々と歓声が巻き起こった。
そして、公演はいよいよ終盤に突入。終盤の皮切りとなったのは、このラストライブで初披露となる新曲の「瑞夢」だ。「瑞夢」は作詞・作曲・編曲、ラストライブ前に公開されたトレーラー制作、振付といった要素全てをODDLOREがトータルで手掛けた完全セルフプロデュース作品で、ODDLOREの最後にして最大の挑戦となった一曲。大きな未来へと羽ばたいていくかのようなトラックのうえで紡がれていく6人からのメッセージにオーディエンスが涙する光景もあるなか、6人は笑顔で会場を見渡しながら渾身のアクトを届けた。
「瑞夢」に続いては、こちらも彼らがはじめてラップリリックの制作を手掛けた、「ODDLORE CYPHER」【RAP】の披露へ。六者六様のボースティングで繋がっていくサイファーを、オーディエンスも惜しみない歓声やクラップで讃え、受け入れていった。そのままたたみかけは止まらず、続いてパフォームされたのは過去最もアグレッシブな表現で、ODDLOREに新風を吹き込んだ「STRUGGLE」。振付に一緒に参加をしたり、ペンライトを激しく振るなど、会場の熱気は同曲で最高潮に達した。
そして、ボルテージのあがりきった会場に割れんばかりの喝采が巻き起こる中、「Coming Dawn」の曲名がKOYAからコールされる。「Coming Dawn」は、ODDLOREらしさ溢れる応援歌としてリスナーの背中を押し続けてきたが、ラストライブでの披露は、ODDLORE6人が会場オーディエンスからの熱気に後押しされるかのように最高の気迫をもって展開された。そしてODDLOREを代表するもうひとつのエールソングが、彼らの記念すべき 1stメジャーアルバムの表題曲であり、ありったけの優しさを詰め込んだ「ONE BY ONE」。自分自身に葛藤してきたODDLOREが音楽を通し、すべてのリスナーと共に一歩ずつ歩んでいくことを呼びかけるような同曲のパフォーマンスは、オーディエンスと共にまもなく活動のラストの瞬間を迎えようとしている彼らの、集大成となった。
ラストMCでは6人それぞれから感謝の想いが届けられた。JOSHからは「みなさんのおかげで、ODDLOREのおかげで、一歩人間に近づいて、社会性を身に着けることができました。いろんなステージに立てて、いろんな経験をして、僕が一生忘れることができない思いができて本当にありがとうございました。人生最期のときまで、よろしくお願いします。」、RYUICHIROからは、「みなさんの愛があったからこそ、僕たちは前に進み続けることができました。今日でODDLOREは終わってしまいますが、それぞれの道に進んでいくということで、みなさんから背中を押していただけると嬉しいです。音楽が苦手だった僕は、ODDLOREを通して音楽が大好きになって、ODDLOREが終わっても音楽を続けていきます。」、RIKITOからは「僕らと出会ってくれて、たった1回のラストライブに来てくれて、本当にみなさんありがとうございます。僕たちは〝コンプレックス〟をテーマに活動してきましたがそれは神様からもらった武器だと思っています。それを気づかせてくれたのがODDLOREなのかなって思っています。」、YUIからは「怖さや焦り、負の感情をたくさん味わったんですけど、それを味わったことで得たものが多かったです。いままではそういう感情をスルーしてきましたが、ODDLOREの活動でそれを知ることでそういう感情があるからこそ、人は繋がろうとしたり、共有し合おうとするんだろうなということがはじめてわかりました。人間として大切なものを学ばせてもらったなと思っています。みなさんも辛くなったとき、今日のラストライブを思い出してくれたら冥利につきます。」、RIONからは「僕たちは出会って4年くらい。生い立ちも性格もばらばらな全員がひとつのことを目指していく大変さを知りました。言葉は矛盾しているんですが、解散はするけれど、いま6人はひとつになっています。いい音楽を届けることができたのかなと、皆さんの顔を見て感じることができました。僕たちの音楽はまだまだこの世に残りますので、ちょっと元気がほしいなというときはぜひ僕たちの曲を聴いてSNSでも教えてください。」、そしてラストにリーダーKOYAから「みなさん、今日ここまで応援してくださって本当にありがとうございました。ODDLOREとしてもっといろいろな景色を見たかったという想いはあるのですが、今日このラストライブをこんなにたくさんの方に見てもらえて、ああ、後悔ないな、と気持ちよく終わることができるなと思っています。ここでODDLOREは終わりではありません。僕らの音楽やMVは一生残り続けます。みなさんが僕たちの音楽を聴き続ける限り、ODDLOREは一生心の中で生き続けていきます。」
との言葉があり、その想いはODDLOREのラストリリース曲である「Footsteps」のパフォーマンスにも詰めこまれた。音楽活動未経験からダンス&ボーカルグループとしてメジャーデビューしたODDLOREの約2年半の〝足跡〟は、音楽によって綴られ、それは〝コンプレックスですら最高の自分自身〟という揺るがない伝承となり、オーディエンスに届けられただろう。
鳴りやまない拍手と歓声のなか、少しでも長くステージに立っていたいという6人の想いのもと、アンコールではなく、そのままラスト曲へと突入した6人が最後に選んだ曲は「Lucid Dream」。正真正銘、ODDLOREとして最後のアクトとなった同曲が終わると、6人は別れを惜しむかのように、しかし、自信に満ちたその表情で何度もフロアのオーディエンスに向き合い、コンタクトを交わす。
最後は「約2年間、みなさん本当にありがとうございました!」とのあいさつで締めくくられ、全身全霊を込めてラストライブ全18曲を駆け抜けたODDLOREは、その活動に大団円で幕を下ろした。
誰しもが抱えながらも、それを受け入れ・認めていくことは難しい〝コンプレックス〟。しかしそれは自身の受け入れ方次第で最高のギフテッドとなることを、決して長いとは言えないグループ活動のなかで、音楽を通した濃厚なメッセージとして伝え続けてきたODDLORE6人の旅路は、とても小さな一歩ずつの歩みでありながら、着実に、大切に、ODDLOREに触れたオーディエンスひとりひとりの心に刻まれ、軌跡となっていたことは、このラストライブが創り出した空間で語り尽くされていた。「ODDLORE Last Live」は6人が常に目指し続けた、ODDLOREにとっても、オーディエンスにとっても、〝自分自身を誇れる最高の居場所〟であったに違いない。
ODDLORE6人の旅はこれで終わりとなるが、楽曲やMVなど残されたストーリーテリングなワークスの数々は、ODDLOREが築いてきた道しるべとして、葛藤しながらも未来へと一歩ずつ歩んでいくすべてのひとびとに届けられていくだろう。
「ODDLORE Last Live」
■主催
キングレコード株式会社 / パルス株式会社
■企画
EVIL LINE RECORDS / Dazed
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M1:-Under Test- Dance Performance
M2:Lucid Dream
M3:where I belong
M4:Hazed Reality
M5:The Revelation
M6:ORTUS
M7:BRIGHT SIDE
M8:SKIN DEEP
M9:Embers
M10: HOLLOW
M11: ODDLORE CYPHER 【Dance】
M12: 瑞夢
M13: ODDLORE CYPHER 【Rap】
M14: STRUGGLE
M15: Coming Dawn
M16: ONE BY ONE
M17: Footsteps
M18: Lucid Dream
■音楽配信はこちら:https://oddlore.lnk.to/LLSPET