映画『Cloud クラウド』で、主人公・吉井を演じる菅田将暉さんにインタビュー。前編では、映画の見どころや作品への思い、出演者の方々との交流など、ここでしか聞けないエピソードをご紹介します。
( Index )
映画『Cloud クラウド』とは?
黒沢清監督の映画の魅力がつまった最新作
共演者と親睦を深めるために…
ネットでゲットしたお気に入りアイテムは?
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黒沢清監督の映画の魅力がつまった最新作
完成した映画をご覧になったときの感想を聞かせてください。
自分が出演している映画なんですけど、めっちゃおもしろかったです。楽しめたし、爆笑したし、スリリングで、いい映画体験ができる時間だなと思いました。
静かなサスペンスと刺激的なガンアクション。両方が楽しめて、濃厚なひとときでした。
黒沢さんの作品は上品だから、アクションが映画館という閉鎖された空間のサプライズとして気持ちがいいんです。クールだし、余計な説明もしないから、観ているお客さんが自由にあれこれと考えられる余韻もあります。
あと、音の数が少ないこともすごく計算されていると思うんです。音が少ないからこそ突然響き渡る音が際立つし、コーヒーメーカーが壊れたときの「キュー」っていう音でさえ、すごい怖い音に聞こえたり。
黒沢さんは洋画を参考にされているので、日本映画っぽくない音作りだと思います。「怖いぞ、なんか来るぞ!」とそんなに煽らないから、本当に怖い。
菅田さんが、とくに気に入っているシーンは?
すごく好きだったのは、吉井を狙う“悪の軍団”が、少し揉めるんですけど、会話劇が最高におもしろかったです。悪の軍団は同じ目的で動いているんだけど、不安を抱いている人、楽しんでいる人、罪の意識がある人、ない人……それぞれの思惑があるんです。その揉めたときのセリフがいいんです。
岡山天音がマスクで顔を隠している役で、まわりから『おまえ、取れよ。顔出せや!』と言われて揉めている中で、赤堀(雅秋)さんが後ろからバッとマスクを剥ぎ取って『君のことなんて、誰も覚えてないんだよ!』って。あのセリフは秀逸でした。タイトルの“Cloud”には“不特定多数”という意味があるので、まさにそういう「何者でもない奴らの狂気」が表現されていて、いいセリフだなと思いました。爽快でした。