辻村深月による同名小説を実写映画化する、映画『傲慢と善良』。この度、本作のメイキング写真が公開され、撮影時のエピソードを、藤ヶ谷太輔、奈緒、原作者の辻村深月が語った。
現代に生きる人々のリアルな恋愛観や価値観が描かれた原作は第7回ブクログ大賞を受賞。20代、30代を中心に多くの共感を呼び、発行部数は100万部を突破する。そんな現代を代表する恋愛小説が、藤ヶ谷太輔、奈緒のW主演で実写映画化される。
婚活で付き合い始めるも1年も将来を決めない【傲慢】な架と、親の敷いたレールの上で【善良】に生きてきた真実。2人はマッチングアプリで出会い婚約。しかし、その直後、真実が突然失踪してしまう。架は、彼女を探すが、次第に“知りたくなかった過去と嘘”が明らかになっていく。思わぬ場所で再会した2人がたどり着く“一生に一度の選択”とは。
本作が4年振り2度目の共演となった藤ヶ谷と奈緒は、月日を感じさせないほど自然に打ち解け、撮影前から萩原監督を交えて、自身の恋愛観や結婚について深く話し合ったという。物語の生みの親である原作の辻村も現場を訪れ、キャストとスタッフが一丸となって議論する様子を目の当たりにし、その熱量の高さに「この本を書いてよかった」と強く感じたそう。
そして完成した映画を観た辻村は「観終えたあとには『もう、これが見たかった!』という感じになっていました」と納得の出来栄えに太鼓判。特に2人が演じるキャラクターの等身大の姿に対して、「2人ともカッコいい、かわいいけど、“カッコ悪い”っていうところをすごく大事に演じてくださっているんです。でも人が生きてくってそうだよな、とすごく伝わってきて。もうめちゃめちゃ面白かったです」と、繊細に体現された主人公の姿に心動かされたことを明かす。奈緒も「“カッコ悪さ”は、萩原監督と藤ヶ谷さんと私と3人で話すときにすごく大事なキーワードにしていました」と、演じたキャスト達にとっても重要な要素だったと明かしている。
スポット映像では、架の“カッコ悪さ”を藤ヶ谷が体現したシーンも収められている。真実がついた嘘の真相を知った架が、声にならない思いを叫ぶこのシーンを辻村はお気に入りの一つに挙げ、「架が床にのたうち回って、『あーっ!』と叫ぶシーンは、もう皆に観てほしいですよね!もれなく観てほしい!!」と語る。これには奈緒も激しく共感し、『私はあの撮影にいなかったので、試写で初めて観たのですが、『あっ、真実が見たかった架くんってこれだな』とすごく思った」と、架が自分をさらけ出した苦悩のシーンを称賛した。
以前より本作の映画化を熱望し、満を持して架を演じることになった藤ヶ谷は、劇中で架が身に着けていた時計を実際に購入したという。それほどの思い入れをもって挑んだ本作について「自分にとっての代表作になれば良いなと思っています。とにかく刺さる言葉が沢山あると思うので、映画を観た方にとって刺さる1本になってもらえたら嬉しいです」と、俳優人生をかけて挑んだ1作に自信を覗かせた。
映画『傲慢と善良』は、2024年9月27日(金)より全国公開。
作品情報
映画『傲慢と善良』
婚約者・坂庭真実が過去も嘘もすべて隠したまま突然姿を消した。仕事も恋愛も順調だった架だったが長年つきあった彼女にフラれてしまい、マッチングアプリで婚活を始める。そこで出会った控えめで気の利く真実と付き合い始めるも1年たっても結婚まで踏み切れずにいたある日、ストーカーの存在を告白される。そんな矢先「架くん、助けて!」と恐怖に怯えた真実からの着信が。彼女を守らなければとようやく婚約した直後、真実は突然姿を消した。居場所を探すうち明らかになっていく、知りたくなかった過去と嘘。すべてをさらけ出した2人の“一生に一度の選択”とは。
監督:萩原健太郎
原作:辻村深月『傲慢と善良』(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
出演:藤ヶ谷太輔、奈緒、倉悠貴、桜庭ななみ、 阿南健治、宮崎美子、西田尚美、前田美波里
配給:アスミック・エース
©2024「傲慢と善良」製作委員会
2024年9月27日(金) 全国公開
公式サイト gomantozenryo.asmik-ace