キック・ザウバーは、F1シンガポールGPの決勝でチームプレイを駆使し、2台揃ってアルピーヌのピエール・ガスリーの前でフィニッシュすることに成功した。しかしそれでも周冠宇が15位、バルテリ・ボッタスが16位……入賞圏内には大きく届かなかった。
この結果についてチーム代表のアレッサンドロ・アルンニ・ブラビは、まだまだすべきことが多くあるものの、まだ戦いから脱落したわけではないと語った。
10チームの中で今季唯一無得点のキック・ザウバーにとって、シンガポールGPも厳しいレースとなった。抜きづらいこのコースで予選ではボッタス19番手、周が20番手と、グリッド最後列を占める格好に……チームは戦前から、このシンガポールは自分たちのマシンには合わないと明かしていたが、それでも厳しすぎる予選結果となった。
ただ決勝レースでは、アルピーヌのガスリーをアンダーカットすると、その後は終始抑え込むことに成功。またレース終盤にファステストラップを狙ったダニエル・リカルド(RB)がピットインしたこと、そして2台がリタイアしたことにより、前述の通り周が15位、ボッタスが16位でチェッカーを受けた。
マシンの純粋なパフォーマンスでは勝るアルピーヌ1台を抑え込めたのは、チームプレイがうまくいったという事情があったようだ。
「真のチームプレイヤーである周を、特に賞賛したいと思う」
アルンニ・ブラビ代表はそう語る。
「ピットストップの後、40周目以降はバルテリにDRSを使わせるように頼んだんだ。必要なウインドウを維持しながらペースを管理することで、チームメイトがガスリーの前でフィニッシュできるようにサポートし続けてくれたのだ」
「周もバルテリも、タイヤマネジメントに関するチームの指示に従ってくれた。チームワークを発揮して、ポジティブな結果を得ることができたんだ」
これについては周も、次のように説明する。
「自分のレースがクリーンだっただけではなく、バルテリを助けることでチームの戦略に貢献した。バルテリを自分のDRSゾーンに留めて、ピエールよりも前にいられるようにしたんだ」
そう周は語る。
「これは非常に重要で、15位と16位でフィニッシュすることができた。チームからの明確な指示をもらい、僕はできる限り効率的にそれに従った。チームをサポートするために、できる限りのことをしたんだ」
なおボッタス曰く、次のアメリカGPにはアップデートが持ち込まれる予定だという。これが功を奏し、今季初のポイント獲得に繋げられるかどうか……2026年からアウディのワークスチームになることが決まっているチームにとって、それは非常に重要なことだと、ボッタスは語る。
「ライバルの何人かの前でフィニッシュすることができたけど、レースペースはまだ十分じゃない」
「この3週間でパフォーマンスを見つけ、オースティンに強力なアップデートを持ち込んでリセットし、シーズンを最高の状態で終えることが重要なんだ」