マルティン、前戦”限界オーバーテイク”に不満も「スチュワードを尊重」と受け入れ。インドネシアGPでリベンジ狙う

 MotoGPエミリア・ロマーニャGP決勝でホルヘ・マルティン(プラマック)はエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)に敗れたが、勝負を決めたオーバーテイクについてマルティンは改めて批判しつつも、インドネシアGPでのリベンジを誓った。

 エミリア・ロマーニャGP決勝では、マルティンとバスティアニーニが優勝争いを展開した。そして最終ラップのターン4でバスティアニーニがインに飛び込んでマルティンにオーバーテイクを仕掛けた。しかし両者は接触し共にラインを外したが、バスティアニーニがトップを奪ってそのままチェッカーを受け、今季2勝目を挙げた。

 マルティンはこの動きに憤りを示していたものの、スチュワードが審議対象とすることはなかった。

 そのエミリア・ロマーニャGPの1週間後に行なわれるインドネシアGPを前に、マルティンはバスティアニーニの動きについて再び言及。裁定は受け入れているものの、マルティンの動きはやはり限度を越えていたと繰り返した。

「あれは限界を越えていたと思うから、僕は100%同意していない。でも大丈夫だ。結局のところ、スチュワードの決定を尊重する必要があるんだ。だからエネアを祝福したいと思うし、ここでは僕がトライしていきたい」とマルティンは語った。

 一方でバスティアニーニは、マルティンの限界ギリギリの仕掛けがクラッシュを引き起こし、リタイアする原因になったかもしれないという懸念があることは認めつつも、動き自体には問題はなかったと改めて語った。

「いや、それ(意見が割れていること)には驚いていないよ」

 バスティアニーニはそう語る。

「僕は走行ラインからすぐに出たけど、それはホルヘの様子を伺うためだった……『ああ、彼がクラッシュしたかも』と思ったんだ」

「でもその状況を除けば、あれは走行ライン上の出来事だった。だから僕は自分のそのアプローチや決断を疑っていない」

 エミリア・ロマーニャGPでは2位に終わったマルティンだが、同時にタイトル争いのライバルであるフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が転倒のノーポイントに終わったことで、リード自体は24ポイントまで広げることができた。

 昨年のインドネシアGPでマルティンはスプリントレースこそ勝利したが、決勝で転倒。それがタイトル争いにおける大きな転換点となってしまった。

 マルティンは今年のインドネシアGPでも競争力を発揮したいと意気込んだ。

「昨年、僕は(インドネシアGPで)強かった。それがとても大事なことだ」

「スプリントで勝利して、(決勝でも)3秒のリードを保っていた。僕はレースで楽観的すぎたのかもしれない。ただ(今回も)いつものように競争力を発揮できると感じている」

「集中を保っていき、同じような水準と一貫性をキープするのが重要になる。予選ではいくつかミスをしてしまったのを覚えているから、集中してやっていくよ」