MotoGPインドネシアGPの初日を終えたマルク・マルケス(グレシーニ)は、ホンダ時代のような転倒をセーブするシステムがドゥカティでも機能し始めたと語っている。
マルケスはインドネシアGPの初日プラクティスを7番手タイムで終了。予選Q2への直接進出を確保した。
このセッションでマルケスは、タイム以外の面で注目を集めた。それはホンダ時代に何度も見せていたような、転倒しかけても状態を立て直すスーパーセーブだ。
体を地面に押し付けながらマシンを立て直す姿は、ホンダで大怪我を負う前に彼がしばしば見せていたライディング。今回インドネシアGPのプラクティスで、当時同様の技を見せた。
マルケスはこのセーブについて「長い間こういうのは無かった」と認め、ホンダ時代のモノがドゥカティでも機能し始めていると語った。
「長い事やっていなかったセーブのひとつだね。当時も色々な人がホンダにはクラッシュ防止装置がついている、なんて言っていたけど、今はそれがドゥカティにも搭載され始めたようだ(笑)。以前使っていた特別なシステムが、ドゥカティによって開発されて、それが機能し始めている」
マルケスはそう冗談めかしながら語った。
「ホンダ時代に言っていたけど、こういったセーブはスペクタクルのあるものだけど、同時に僕に不安があることも示しているんだ」
「このサーキットは過去に僕が苦労してきたコースだ。今年はより楽になるかもしれないと思っていたけど、今日やってみると、実際は他のコースよりも難しかったね」
マルケスにとってインドネシアGPが厳しいのは、彼の前方に4台の最新型のドゥカティを駆るライダーが並んでいることだ。
「僕はターン2でかなり弱点を抱えていて、タイムロスしてしまっている。新品のタイヤも上手く使えていないから、GP24に接近するために、その点を改善したい」
「今回も彼らはかなり前方を走っていて、特にエネア(バスティアニーニ/ドゥカティ)とホルヘ(マルティン/プラマック)が先を行っているね」
なおプラクティス終了時には、ガス欠を起こしてしまったフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)を引っ張って助ける場面があった。来年のチームメイトを救助したシーンについて、マルケスはこう語った。
「“タクシー”した件については、ペッコが僕の前で手を上げているのが見えたんだ。それで彼を待って、引っ張っていった」
「彼は将来のチームメイトだから注目されるのは分かる。でもフィニッシュラインを超えるとライバル関係は二の次になる」
「僕は最初、(足で押そうとして)踏み場所を探していたんだ。それが一番簡単だからね。でも彼は足を(ステップから)外さないんだ。僕たちは互いのことをあまり分かっていなかったね」