「東京ゲームショウ2024」(2024年9月21日~9月24日開催)のビジネスデイにて、スクウェア・エニックスブースを取材。『ドラゴンクエスト III そして伝説へ…』のプレイレポを紹介します。
『ドラクエ3』らしさを残しつつ、洗練されたシステムが魅力。
【画像】えっ、楽しそう! こちらがHD-2D版『ドラクエ3』のプレイ写真です(10枚)
古いけど新しい! 表現力の向上と快適なプレイシステム
「東京ゲームショウ2024」(2024年9月21日~9月24日開催)のビジネスデイにて、スクウェア・エニックスのブースを取材。『ドラゴンクエスト III そして伝説へ…』のプレイレポを紹介します。
古い羊皮紙のような背景が勇者ロトの伝説の始まりにふさわしい!?
日本のコンピュータRPGを代表する「ドラゴンクエスト」シリーズ。そのなかでも1作目から3作目は「ロト三部作」と呼ばれ、不朽の名作として知られています。「ドラクエ」はゲームハードの進歩とともに何度もリメイク版が作られ、複数のハードに移植され、今ではスマホでも遊べます。
その最新のリメイクが2024年11月14日(Steam版のみ11月15日)に発売されるNintendo SwitchやPS5、Xboxなど複数のハードで展開する新たな『ドラゴンクエスト III そして伝説へ…』です。
実際にプレイしてみたところ、リアルタイムでプレイしていたファミコン版「ドラクエ」の感触を残しつつも新たなシステムを追加し、これまでゲームから離れていた人が戻ってきても違和感なく遊べるようになっていて驚きました。
試遊を始めてすぐに気が付いたのはダッシュです。高速移動とまではいきませんが、ボタンを押しながら移動すると若干移動速度がアップします。これは操作説明書を読んだり、スタッフに説明してもらったりしたのではなく、自分で操作しながら直感的に気づきました。何となく触っているだけで気づける、というのはシステムが優れている証拠だといえるでしょう。歩く速度は快適さを感じるラインと、早過ぎてゲームのテンポと乖離するラインのギリギリといったところです。
2.5次元という選択
早歩きでロマリアから北に向かってカザーフの村まで歩くと、ちょうど日が落ちて夜になるくらいの距離感です。マップは勾配のある平面ですが、移動しているだけでも変化があるので退屈しません。マップ上の光点を調べれば能力値アップの「種」などが拾えるので探索のし甲斐もあります。
凹凸のある地形に隠されたアイテムを探そう!
ただしファミコン版と同様に岩山などは侵入できないようになっており「ドラクエ3らしさ」は十分に残っています。広大な世界で旅をしているという表現を、ファミコン版の2次元から2.5次元くらいに引き上げてミニチュアのように表現しているのが特徴です。
フィールドは凸凹していて変化に富んでいる。
スーパーファミコン版やスマホ版、PS4版の『ドラクエ3』がグラフィックの向上に留まり、2次元表現のままだったので、大きな変化だといえます。ただし『ドラクエ8』のように完全な3Dになっていたとしたら、『ドラクエ3』らしさは失われていたように思えます。
快適な戦闘システムとグラフィック面の向上
戦闘システムはファミコン版『ドラクエ3』とは大分異なり、『ドラクエ4』以降に実装された「作戦」が使えるので快適に戦闘をこなせます。これはスーパーファミコン版『ドラクエ3』で既に実装されているシステムです。「命令させろ」にすればパーティメンバー全員の行動を指示できるため、強敵と戦うときは変更すると良いでしょう。
AIは賢いので効率的に敵を攻撃してくれる。
また呪文のエフェクトがアニメーションしたり、敵に背景がついたりしているのでグラフィック面は大きく向上しています。ファミコン版『ドラクエ3』の背景は常に真っ黒でした。また頻繁に敵とエンカウントしても、バトルスピードがかなり早めなのであまりストレスを感じません。
グラフィックが追加されたことで魔法の属性や効果が視覚的に把握できる。
試遊で得た全体的な感触としては、「まもの使い」などの新職業やとらえた魔物を戦わせる「バトルロード」のような新システムよりも、細部のつくりこみ感動しました。新たな『ドラクエ3』のシステムは過去作のいいところ取りをしつつ、全体的に洗練されています。本作はかつてファミコン版『ドラクエ3』遊んだプレイヤーをも納得させられるリメイク作の決定版だといえるでしょう。