「クルマの鍵、電池が切れたらどうなる?」紛失したら○万円!? 知っておきたい“スマートキーの緊急時対応”を自動車ジャーナリストが解説の画像一覧
現在クルマのキーの主流はスマートキー。車体と通信を行っていて、電子的なキーが合わないとドアロックを解除できないし、エンジンの始動も困難だ。そこで気になるのが電池切れ。そうなると使えなくなってしまうのだが……。ここでは、そんな緊急時にとるべき行動と対策を解説する。
主流の「スマートキー」、実は紛失したらかなり大変…
クルマのエンジンをかけるにはキーを使うのは当然のこと。盗難防止のため、個々のクルマごとにキーの形は設定されるので、なくしたら大変。スペアキーが近くにあればいいが、出先だと取りに帰らないといけないし、中古車の場合、スペアキーが元からない場合もある。
カギ穴にキーを差し込んで回すアナログキーは今やクルマではなくなってしまい、主流なのはスマートキーと呼ばれるもの。車体と通信を行っていて、電子的なキーが合わないとドアロックを解除できないし、エンジンの始動も困難だ。ちなみに最近ニュースで見かける車両盗難でどうやって始動させているかというと、スマートキーの電波を盗む、リレーアタックと呼ばれる方法が使われることが多い。セキュリティも関係するだけに、スペアがない場合、ディーラーで作ってもらえはするのだが、身元確認されるし、作成費用も数万かかるので、なくさないようにしたい。
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スマートキーの電池が切れたら使えない⁉️ 緊急時にとるべき行動
紛失しないにしても、気になるのが電池切れ。紹介したようにスマートキーは電波を発しているので、電源となる電池が内蔵されていて、当然電池切れは起こり得る。そうなると使えなくなってしまうのだが、クルマも同時に不動になってしまうのだろうか?
結果としてはそのようなことはないのでご安心を。スマートキーはポケットやカバンに入れていてもドアノブに触ったり、インパネのスイッチを押せば作動する。ただし、スマートキー本体を見てもらうとわかるように、実はアナログのキーが仕込まれていて、引き抜くと出てくる。これを使えばまずはドアを解錠できる。ドアにも昔ながらのカギ穴が付いているのは緊急時のためだ。
角の部分に切れ込みが入っているのでわかりやすい。引っ掛けるように引っ張るとアナログキーが出てくる。
ただし、アナログでドアを開けると盗難と判断してセキュリティが鳴ってしまうので、乗り込んでエンジンを始動するか、始動ボタンを2回押したりすると消えるので慌てなくてもOK。しかし、どうやってエンジンを始動させればいいのか? ドアのようにアナログキーを差し込むところは最近のモデルにはない(以前はあった)。
この場合はクルマによって異なることもあるが、スマートキーをボタンに近づけて押せばかかることが多い。最初からこのようなシステムでもいいと思うが、キーを取り出さないといけないし、肝心のセキュリティが効いていない状態のため盗難という観点では危ないので、あくまでも緊急時の対応ではある。
こうならないためにも、電池交換は定期的に行いたい。使われている電池は一般的なボタン電池で、交換方法もこじるようにして開けるだけなので簡単。できない場合はディーラーでもすぐに対応してくれる。
文・撮影/近藤暁史