レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、F1マシンから降りたダニエル・リカルドを、何らかの形で陣営内に留めることに興味を持っていると語った。
9月26日(木)、レッドブル・レーシングの姉妹チームであるRBは、リカルドに代わってリザーブ・ドライバーのリアム・ローソンを起用することを正式発表。10月に開催される次戦アメリカGPからローソンが角田裕毅とコンビを組むこととなった。
リカルドはこれにより、事実上14年間のF1キャリアを終了させることになると思われる。2007年にジュニアドライバーとして陣営に加わったことから始まったレッドブルとの関係にも、終止符が打たれるようだ。
しかしmotrsport.comの姉妹サイトMotorsport-Total.comの独占インタビューに応じたマルコは、レッドブルが人気ドライバーのリカルドを何らかの形で陣営内に引き止めることに「興味がある」と語った。
「我々は会話を交わしているし、興味を持っていることは明らかだ」とマルコは言う。
「彼はF1ドライバーの中でも、特にアメリカで人気のあるドライバーだ」
「しかし彼は自分の将来全体を考える時間が欲しいようだ。彼が他のレースカテゴリーに参戦するとは思えないけどね」
「一方で彼がレースに積極的に参加しなくなったとしても、こういったPR活動を望むだろうか?」
「リカルドは大金を持っているし、今後の人生をどう切り開いていくかは、彼にとっては人生の決断と言ってもいいだろう」
35歳のリカルドは、ある種“F1親善大使”的な役割としてレッドブルで起用される可能性もあるが、2023年シーズン開幕当初のようにリザーブドライバーに戻ったり、下位チームでのポジション争いをしたりすることに乗り気ではないと既に示唆していた。
リカルドは再びリザーブドライバーに戻ることについてこう語った。
「いや、そうじゃない。昨年は片足をレッドブルに踏み込むことに意味があったのは明らかだったし、全体像はレッドブル(レーシング)への復帰を目指すことだった」
「もしまたそうするとしたら……キャリアを再開するつもりはない。僕はもう35歳だ。何年もの間、僕は自分の持てるペースをまだ見せてきたけど、毎週末それを発揮するのが難しくなってきたのは明らかだ」
「25歳の時と35歳の時を比べると、間違いなく楽になったけど、競争が激化しているのも事実かもしれない」
「昔はやれていたし、それがとても楽しかった。それには満足している。良い思い出のままスポーツを去りたいとも思う」
「毎週末Q1落ちを喫するような、ただひたすら苦しいだけのレースにはしたくない。明らかに楽しくないよ」