マルティン、痛恨のスプリント転倒! バニャイヤがレース制しタイトル争い再接近|MotoGPインドネシアGP

 MotoGPのアジア・パシフィックラウンド開幕を告げるインドネシアGPが開幕。MotoGPクラスのスプリントレースでは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが勝利した。

 予選ではポイントリーダーのホルヘ・マルティン(プラマック)が新コースレコードを記録してポールポジションを獲得。ランキング2番手のバニャイヤは4番手からマルティンに挑む。

 13周のスプリントレースはポールシッターのマルティンがしっかりと加速して先頭のポジションを抑ると、2番手にはスタートでうまく前に出たバニャイヤが追走。直接対決の構図となった。

 このままふたりのバトルが展開されるかと思われたが、1周目ターン16で、マルティンがまさかの転倒を喫してしまった。このコーナーは低速なためマシンの損傷は少なく、マルティンは再びレースへ戻ることができたが、トップからは7秒差の最下位へと落ちてしまった。

 レースのオーダーは、ライバルの転倒で苦労せずにバニャイヤが先頭へ。2番手ペドロ・アコスタ(GASGAS)から続いてマルコ・ベッツェッキ(VR46)、マルク・マルケス(グレシーニ)、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)までがトップグループを形成した。

 アコスタがライバルに追い抜かれてポジションを落としていくと、バニャイヤ、ベッツェッキ、マルケスのトップ3が少し抜け出す形となり、4番手で0.5秒差のバスティアニーニが追いかける構図となった。

 そのトップ3の争いでは、7周目にベッツェッキがターン10へのブレーキングで止まりきれずオーバーラン。これでマルケスとバスティアニーニに追い抜かれてしまった。

 2番手に上がったマルケスは、バニャイヤへと接近。ただお互いに1分30秒1~3という近いペースでの走りであることから、なかなかオーバーテイクを仕掛けるには至らなかった。なお3番手のバスティアニーニもマルケスの真後ろにつけており、ここでもプレッシャーをかけ合っている状況だった。

 残り2周、バスティアニーニがついに動き、ターン10へのブレーキングでインを突いてマルケスをオーバーテイク。2番手が入れ替わった。

 マルケスとバスティアニーニがバトルしている隙に、トップのバニャイヤは後続を少し突き放した。0.7秒のギャップを持ってラストラップに入り、ミス無く走り切ってトップチェッカーを受けた。

 これでバニャイヤは前戦エミリア・ロマーニャGPからスプリント2連勝を果たした。2位はバスティアニーニ、3位はマルケスだ。

 一方で1周目に転倒してしまったマルティンは、レースを通じて猛烈な追い上げを見せ、最終的に10位でフィニッシュ。ポイント獲得はできなかった。その結果、タイトル争いは2番手のバニャイヤが12ポイント差まで接近することとなった。

 日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は18位でフィニッシュ。予選7番手を獲得していたチームメイトのヨハン・ザルコは8位となった。