Moto2インドネシア決勝|小椋藍、2位獲得でタイトル争いリード拡大。カネットはひとり旅の独走優勝

 MotoGP第15戦インドネシアGPのMoto2クラス決勝が行なわれた。優勝したのは、ポールから見事な独走を飾ったFantic Racingのアロン・カネットだった。

 カネットは前戦エミリア・ロマーニャGPと連続でのポールポジションとなった。インドネシアでは2年連続のポール獲得だ。2番手には、ジェイク・ディクソン(CFMOTO Inde Aspar Team)が入った。

 ディクソンとわずか0.001秒差の3番手となったのは、現在タイトル争いをリードしている小椋藍(MT Helmets – MSI)。チームメイトでランキング2番手のライバル、セルジオ・ガルシアは15番手と、ポイント差を拡大するチャンスだ。

 もうひとりの日本人ライダー、佐々木歩夢(Yamaha VR46 Master Camp Team)は予選Q1で8番手。決勝は22番グリッドから上位を目指す形だ。

 ロンボク島にあるマンダリカ・サーキットは気温29度ながら路面温度59度というコンディション。海風が運んだ砂でレコードライン外のグリップが低い可能性もある、一筋縄ではいかないコースだ。

 22周のレース、ホールショットを奪ったのは小椋。スルスルと加速すると、ターン1を前に首位に浮上した。ただ、オープニングラップを首位で終えたのはカネットで、小椋はアロンソ・ロペス(MB Conveyors SpeedUp)にも抜かれ3番手となった。

 1周目からターン1やターン10で複数のクラッシュが発生する慌ただしい幕開けとなったが、赤旗などは出されずレース継続。首位カネットが1秒ほどのリードを築いた。

 2番手争いはロペスと小椋、さらにフェルミン・アルデゲル(MB Conveyors SpeedUp)も加わっての三つ巴に。小椋は何度もアルデゲルに攻撃を仕掛けられたが、すぐに抜き返してみせた。

 カネットはハイペースで周回を続け、5周目までに2秒ほどまでリード拡大。小椋は6周目にアルデゲルのオーバーテイクを許し、4番手に後退した。

 しかし8周目、チームメイトのロペスを追っていたアルデゲルがターン8で止まりきれずにオーバーラン。大きくポジションを落としてしまった。

 カネットが1周0.5秒ほど速いペースで独走を続ける中、ロペスを先頭とした2番手集団には新たにマヌエル・ゴンザレス(QJMOTOR Gresini Moto2)、ダリン・ビンダー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が加わった。

 しばらく4台ひとかたまりの走行が続いたが、13周目に小椋がロペスの攻略に成功。この時点ですでにカネットのリードは6秒以上に広がった。

 3番手ロペスが懸命に後続を抑える中、2番手の小椋も遠く離れたカネットを追うのではなく、確実にフィニッシュを目指す走りを続けた。

 そんな中、10番手を走っていたガルシアが転倒。これで小椋とのポイント差がさらに広がることとなった。

 首位のカネットは一時7秒以上まで広げたリードを少しずつ切り崩しながらセーフティーにフィニッシュを目指した。2番手小椋も後方とのギャップが広がり、終盤は単独走行となった。

 6.1秒のリードでファイナルラップに突入したカネットは危なげなくトップチェッカー。第2戦ポルトガルでマークしたMoto2初優勝以来、待望の2勝目を挙げた。

 小椋は2位でフィニッシュ。20ポイントを獲得し、ランキング2番手のガルシアに対して42ポイント差をつけた。次戦日本GPには、ポイントリーダーとして凱旋を果たすことになる。

 3位はロペス。レースを通して後続とのバトルを繰り広げたが、表彰台最後の一席を確保した。

 佐々木は17位フィニッシュ。他車の転倒もあって順位を上げたが、ポイントには手が届かなかった。